ブックタイトル会報2025年1月
- ページ
- 9/10
このページは 会報2025年1月 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 会報2025年1月 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
会報2025年1月
第259号令和7年1月発行Page 9第11回日本糖尿病医療学学会令和6年10月12日(土)~13日(日)京都大学百周年時計台記念館[当法人評議員]熊倉医院熊倉淳[医師]第11回日本糖尿病医療学学会「病気を考える医学、ひとに優しい医療」が2024年10月12日、13日に京都大学百周年時計台記念館で開催されました。日本糖尿病医療学学会は、糖尿病とともに生きる者( Person with Diabetes :PwD )、その人たちをケアする人、ケアする人をケアする人、取り巻く環境や社会、それらの人たちのこころと行動に焦点を当てて、糖尿病臨床―医療を学ぶために設立されました。医療学では1.強制して人の行動を変えることはできない。私たちにできることは変化を援助することである。2.患者は自分でやることを決定し、それによって生じる問題を解決する力を持っている。3.それができるように、必要な情報を提供し、適切な決定ができるように援助する必要がある。4.よく聴くことによって、お互いの考え方を理解するチャンスが生まれる。という考えがあり、そのためには「聴く力」、「続ける力」、「待つ力」が重要とされています。学会では症例が発表された後、参加者がスモールディスカッションを行い、どのように感じたのか、自分だったらどのように対応していたのかなどを考え、短く発表するという双方向性の会です。私が考えさせられたのは、50歳代男性が前医と意見が合わず見放されたと感じ、自暴自棄となり治療が途絶えがちとなった方の症例です。転医してチームで傾聴、Holding的、containing的に支える治療を受け、徐々にラポールが形成され治療が継続されるようになりましたが、腎機能低下に伴い腎臓内科に転科となった際に、「腎臓内科では今までのように話を聴いてくれないので行きたくない」という患者の声と、「一人のためにそんなに時間をかけるほど暇はない」という腎臓内科スタッフの声を聞き、糖尿病チームはどのように対応していればよかったのか悩んでいるというものでした。スモールディスカッションでいろんな地域の多職種の考えを聴き、答えは出ないものの、考え方の多様性を感じてきました。また講習では、がんの医療学について語ろう、動機づけ面接(Motivational Interviewing: MI)、糖尿病医療学コーチング講座~ノンジャッジメンタルでいること~、描画法―風景構成法とやりとり―など、心理学専門の先生の講義が入るので普段の学会とは違う、参加した感の強い講義であり深く考えさせられる学会でした。学会終了後は学会に参加した当院スタッフとゲスト長岡中央病院八幡和明先生、八王子医療センター小林高明先生と一緒に京料理を食べながらの反省会で学会の振り返りを行いました。読んで単位を獲得しよう答え3下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説Karvonen法とは、年齢と安静時心拍数から目標とする運動強度の心拍数を算出する方法で、次の計算式で算出されます。目標心拍数=(予測最大心拍数※?安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数※予測最大心拍数=220?年齢この式に当てはめると、この女性の目標心拍数は104拍/分となります。運動強度は中強度(最大酸素摂取量の40-60%)で行うことで、効果的で安全な運動療法が提供できますが、降圧剤(β遮断薬)の服薬者や高齢者、自律神経障害を伴う場合は運動に対する心拍応答が低下しているため、注意が必要です。その場合には、自覚的運動強度(ボルグ指数:RPE)で11-13(楽である?ややきつい)以下での運動処方が望ましいです。臨床糖尿病支援ネットワーク