ブックタイトル会報2025年7月

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概要

会報2025年7月

Page 2第265号令和7年7月発行第68回日本糖尿病学会年次学術集会令和7年5月29日(木)~31日(土)ホテルグランヴィア岡山他[当法人会員]市立青梅総合医療センター大島淳[医師]第68回糖尿病年次学術集会が5月29日(木)~5月31日(土)にかけて岡山にて開催されました。最近はコロナウィルスの影響などもあり、オンライン参加がほとんどでありましたが、今年は久しぶりに現地参加をすることができました。私は29日に現地に向かい、当日帰宅と慌ただしい道程かつ3日の開催中1日しか現地にいることができませんでしたが、久しぶりに恩師にお会いできるなど素晴らしい時間を過ごせたと思います。今回の学術集会のテーマは「臨床と研究の架け橋~translational research~」であり、臨床で出てきた疑問などを基礎研究で確認する、基礎研究の結果を臨床へ応用する重要性を示しています。口演やポスター発表、ランチョンセミナーなど聴講させていただきましたが、コロナウィルスが落ち着いてきた後の教育入院の変化や、最近発売された薬剤、糖尿病に関する最新の知見など診療に取り入れたいと思うようなものが数多くありました。特に印象に残った内容として、アルブミン値によるインスリンの効果変化と夜間にアルブミン値が低下する日内変動によって夜間低血糖リスクが上昇する危険性があげられます。アルブミン結合によってインスリン作用を安定的に持続させているインスリンは、アルブミン値が低下するとインスリンの効果が不安定になり、血糖コントロールへ影響する可能性が指摘されています。アルブミンは夜間に低下しやすいため、アルブミン結合による持効型インスリンでは夜間低血糖に気をつける必要がありますが、その変動が予想以上に大きい印象でした。臨床医としては持効型インスリンを使用する場合、夜間低血糖のリスクを考えてインスリンの用量調整を行う必要がありますが、その点を基礎研究の面からも解説するなど今回のテーマである臨床と研究の架け橋につながるものであったと感じました。なお、最近発売された週1回のインスリン製剤であるインスリンイコデクもアルブミン結合により長時間作用を確保しているため、処方の際には年齢やアルブミン値により注意しようと思いました。また、今回の年次学術集会ではスタンプラリーがあり、特定のプログラム聴講や展示企業の出展ブースを回ることでスタンプがもらえ、一定数集めることで様々な景品と交換できるイベントがありました。現地には1日しか滞在できなかったため、スタンプを埋めることはできませんでしたが、次回以降にこのようなイベントがあれば是非参加したいと思います。その他にも企業ブースでは、より医療安全の向上を目指すためのインスリン管理システムや体組成計などの糖尿病治療周辺に関わる機器や患者指導用のツールなど様々な展示がありました。糖尿病治療がより進歩していくことで、糖尿病治療の目標である「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOL」へより近づいていくのではないかと感じる一方、発展していく治療方法を患者さんたちにしっかりと実践していただくためには、私たちがその治療法を実際に行えるようになり、それをきちんと伝えることができるように常日頃からの努力が重要であると改めて実感しました。学会参加はオンラインでも多くの知見を手にすることができますが、やはり現地参加で得られるものもあると思います。皆様も是非現地での学会参加をご検討いただけますと幸いです。臨床糖尿病支援ネットワーク