ブックタイトル会報2025年6月
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会報2025年6月
第264号令和7年6月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です~その人らしさを大切に~[当法人評議員]武蔵野赤十字病院後藤智恵[管理栄養士]新年度が始まり、スタッフの入れ替え等で新しい出会いがあった方、また新しい職場でスタートを切った方はようやく落ち着いてきた頃でしょうか。当院では今年度に新棟移転を控えており、期待と不安を抱えながらも準備を進めています。栄養課も今年度で管理栄養士が20名となりました。私が入職した時、管理栄養士は6名で、当時は電子カルテもありません。外来患者さんのカルテは見る機会もなく、病名と検査値のみの情報で栄養指導を行い、入院患者さんは病棟にある一冊のカルテを遠慮がちに見ながら最低限の情報を確認して対応する日々。振り返ると、右も左も分からない時に臨床糖尿病支援ネットワークでの勉強会や研修会等を通して、患者さんとの関わり方を学ぶことが多かったように思います。時は過ぎ、管理栄養士は増員、電子カルテも導入され、いつでも患者さんの詳細な情報が確認できるようになりました。現在は各病棟に管理栄養士を配置、より患者さんの近くで療養支援を行えるようになり、患者さんから教わることも多い毎日です。先日栄養指導をした時のことです。患者さんは認知機能低下があり、病棟にいるときは病院のパジャマを着て表情も固く、車イスに座っている姿は自宅に帰って大丈夫だろうか・・・と不安を感じさせる印象でした。食事歴を伺っても「どうだったかな・・・」と言葉少なめで曖昧なご様子。しかし、途中からご本人の様子ががらりと変化しました。それは間食をするかどうか、といった内容を聞いた時でした。やや申し訳なさそうに、でも嬉しそうに「ついついしちゃうのよね」とお話しされるので、「なんだか嬉しそうですね」と声をかけると「実はね、もともと駄菓子屋やってたのよ」と。同席された息子さんも「子供よりも率先してお菓子を食べる駄菓子屋さんだったもんね」と笑ってお話ししてくれました。その患者さんやご家族にとってはその時の思い出はかけがえのないものだったのでしょう、そこからは口数も増えて普段の食事を摂る時の様子や食べ方の好みなどを振り返りながら教えてくれました。その時の目の輝きは今でも記憶に残っています。私たち管理栄養士は食事内容を聞いて情報提供するだけが仕事ではなく、患者さんの生活、ひいては人生そのものと向き合っているのだと改めて認識させてもらった出来事でした。電子カルテでは病棟にいなくてもさまざまな情報を見ることができるので、ともするとカルテを見ただけで患者さんのことを知った気になり、向き合った気になってしまうこともあります。ですが、まずは患者さんの近くで顔を見てお話を聴く時間を大切に・・・時代や環境が変化しても、これまでと変わらず患者さんの側で「その人らしさ」を大切にし※新病院~当院HPより~た療養支援を行っていきたいと思います。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題経口血糖降下薬について、正しいのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります)1.α-グルコシダーゼ阻害薬は単独投与でも低血糖を来す可能性が高い2.ビグアナイド薬は重篤な肝機能障害患者にも安全に使用できる3.グリニド薬は食前30分以内に服用するように説明する4.SGLT2阻害薬服用時は脱水予防のため適度な水分補給を指導する必要がある5.チアゾリジン薬は浮腫や体重増加に注意が必要である臨床糖尿病支援ネットワーク