ブックタイトル会報2025年5月

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会報2025年5月

Page 2第263号令和7年5月発行報告平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:令:平和成6年2912年月7 219日(土日)第54回東糖協多摩ブロック糖尿病教室パルテノン場所:駒沢多女摩子大学年末の冬晴れの中、多摩市にあるパルテノン多摩において『第54回東糖協多摩ブロック糖尿病教室』が開催されました。当日は現地開催とWeb配信で実施され、56名の方々にご参加・ご視聴いただきました。冒頭、開会の挨拶で東京都糖尿病協会副会長宮川髙一先生より、東京都で行われているブロック糖尿病教室の組織や当ブロック糖尿病教室の意義、患者さん同士の横の繋がりに関してお話しいただきました。講演Ⅰでは「私の糖尿病治療、体験談」と題して、多摩センタークリニックみらいの三ツ木美麗先生と患者様U様からお話をいただきました。実際に治療に取り組んだ糖質制限を通じて、自分に合った糖尿病治療を考え実行されたようで、とても興味深いお話でした。糖尿病とは長期に渡る治療になってきます。糖尿病という疾患としっかり向き合い、自分に合った治療を見つけて、明るく前向きに治療を続けることの大切さが伝わった講演でした。講演Ⅱでは「新しい治療薬の選択について」と題して、東京都立多摩南部地域病院糖尿病内科副部長本城聡先生よりお話しいただきました。糖尿病の基本的なお話や、最近の糖尿病治療薬や週1回のインスリン製剤のお話など、非常に分かり易い内容でした。会場に参加された患者さんは新しいお薬に期待され、興味深く聴講されておりました。最後のパートでは「ぜひ聞きたい!あんな疑問?こんな疑問?コーナー」においては、患者さんや医療従事者の方々からの糖尿病に関しての日頃のお悩みや疑問、質問を集め回答をいただきました。近藤医院の吉田敦行先生に司会を務めていただき、コメンテーターとして三ツ木先生、本城先生、朝比奈クリニックの渡邊千秋先生よりご回答をいただきました。閉会の挨拶では、本城先生から糖尿病と仲良く向き合い治療をしていく大切さを聴講者へお話しいただきました。15分の休憩をはさみ、約2時間の講演でしたが内容の濃い充実した糖尿病教室でした。次回、さらにより良い教室となるよう企画実施したいと思います。報告平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:平成29年7月9日(日)西東京CDEの会第23回症例検討会日時:令和7年2月12日(水)場オンライン所:駒沢女子大学[当法人会員]武蔵野赤十字病院志賀和美[看護師]2月12日に西東京CDEの会企画による「第23回症例検討会」がオンラインにて開催されました。今回は「免疫チェックポイント阻害薬と1型糖尿病」というテーマで、杏林大学医学部附属病院の糖尿病看護認定看護師下田ゆかり先生より症例を提示いただきました。約30名の方にご参加いただきましたが、実際に免疫チェックポイント阻害薬(以下ICI)により1型糖尿病になられた方を経験された方は内3名で、その他の方は「知らなかったので驚いた」「抗がん剤に関わる仕事なので勉強したくて参加した」と話されていました。今回はグループワークという形はとらずに、チャットまたは直接発言していただく形で意見交換を行いました。提示いただいた症例に関することでは、薬剤を使用する前の説明や使用後の検査についてはどうしているのか等の意見が出ました。ICI使用において、薬剤部でレジメンチェックの際に、検査項目をチェックし、電子カルテの掲示板で注意喚起を行っているという施設もありました。また、ICIにより1型糖尿病になった方は治療終了後には糖尿病は治るのか、今症例の様に元々2型糖尿病を持っていた患者さんは特になりやすいのか等、疑問も沢山上がり、ミニレクチャーの後で先生にご教授いただきました。ミニレクチャーは、杏林大学医学部糖尿病・内分泌・代謝内科教授安田和基先生より今回のテーマについて、がんに対する免疫療法、irAE(免疫関連副作用)について丁寧に講義をしていただきました。irAEは様々な臓器に生じ、内科疾患の症状と似ており、がんの症状とも区別しにくく、そのために1型糖尿病の発見が遅れる可能性があることや事前の予測が難しいことを講義いただきました。また、「がん」という大変な病気の治療中に「1型糖尿病」になった方の“二重の苦しみ”に対する理解と、治療目標をどこに置くのか、医療者として重視しなければならない点についても教えていただきました。安田先生から参加者へ、“各専門外来へ通院しているがん患者さんについて、糖尿病療養指導士として協働する場面はあるか”との投げかけをいただきました。安田先生の知るところでも全国的に少ないそうで、今回は経験された参加者が少ないこともあり意見は出ませんでしたが、私を含めてがん専門の担当者や多職種による連携の重要性を感じ、これから何かできることを見つけたいと考えた方が多いのではないかと思われます。臨床糖尿病支援ネットワーク