ブックタイトル会報2025年4月

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会報2025年4月

Page 2報告第262号令和7年4月発行平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:日令時和:6平年成1129月年167日月(9土日)(日)第25回西東京糖尿病心理と医療研究会国立市場商所業:駒協沢同女組子合大さくらホール学[当法人理事]朝比奈クリニック朝比奈崇介[医師]去る令和6年11月16日に国立のさくらホールにて第25回西東京糖尿病心理と医療研究会を開催しました。現地開催にこだわって開催しているこの心理の会ですが、今年は多少のインフル、コロナが巷には存在するようでしたが、大した流行というほどでもなく今年もつつがなく執り行うことができました。第一部:ワークショップ「体験!糖尿病医療学的事例検討?事例検討をはじめよう?」天理よろづ相談所病院白川分院内科北谷真子先生にファシリテーターになっていただき、武蔵野赤十字訪問看護ステーション糖尿病看護認定看護師の豊島麻美先生に「過不足のない支援を願う人の医療・介護支援を振り返る」という症例提示をしていただいた。在宅で介護を受けていたAさんはもとは飲食業で自営をしていた男性。交友範囲も広く、その付き合いの中に生きていく意味を見い出している方。その患者さんから「自分のスタイルを大切にしながら生活していきたい。過不足ない支援をお願いしたい」との希望をいただく。豊島先生からいろいろなケアプランを出してその通りにしてもらおうとするもAさんは理由をつけて全くその方向性に乗ってこない。約束をしても守らない、処方薬もインスリンも守れない。医療をする側からのプランを主体に生活を回して欲しい豊島先生と、やりたい生活をサポートして欲しいだけのAさんとのすれ違い。その隙間は埋まることなくAさんは胆嚢腫瘍で亡くなってしまう。不全感の残る豊島先生はどうすれば良かったのか。そしてこの症例を通して、第二部:特別講演「かかえる環境としての支援者」というタイトルで京都先端科学大学人文学部心理学科教授田中史子先生にご講演いただいた。同じ“物語”(イメージ)を共有する治療者と被治療者が,その治療“物語”を信じ治療関係の中に没頭することが治癒力を持つのではないか?逆にいえば,同じ“物語”を共有していない場合、論理的に正しい支援が意味をなさないこともある。しかし職業としての治療者は、科学的であることが求められる。それは必要なことではあるが、相手の当事者は“科学的・論理的であれ”という不自然な要求に、無意識的に反発を感じても少しもおかしくない。この隙間を埋めるため心理学科ではセラピスト役の学生が対応力を身につけるために行うロールプレイ(イヌバラ法;困っている犬を相談相手にする心理面接する)を行うなどの話をされた。また治療者の態度としてWinnicottのHolding、BionのContainingらの考え方も提示されて終わった。来年の秋にも糖尿病医療学的検討会を中心に据えた第26回心理の会が開催されることになった。またその時にも今回のような大勢の参加者と共に白熱した議論を行いたいものである。臨床糖尿病支援ネットワーク