ブックタイトル会報2025年4月

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概要

会報2025年4月

第262号令和7年4月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です新年度雑感時は過ぎ[当法人監事]かんの内科菅野一男[医師]近藤甲斐夫先生、伊藤眞一先生たちが中心となって、第一線の実地医家への糖尿病に対する知識の普及と糖尿病診療におけるネットワークづくりを目指して、西東京臨床糖尿病研究会が設立されたのが1986年。私が1994年に武蔵野赤十字病院で糖尿病診療を開始した時にはすでに8年の歴史があったことになるが、着任して間もなく、大学の先輩の伊藤眞一先生から西東京臨床糖尿病研究会に入るように言われて、仲間に入れてもらいました。大学病院で研究中心の生活から、看護師、栄養士のみなさんとのチーム医療もまだまだ体制が十分でない状態で、糖尿病診療を始めるにあたって手探りの状態が続く中、近藤甲斐夫先生、伊藤眞一先生には、毎日の診療の中で遭遇する患者対応の問題、スタッフとの調整など、親身になって考えていただき、具体的アドバイスをもらいとてもありがたかった。最近死をテーマにした本を読むことが多い。佐々涼子の「エンド・オブ・ライフ」の後書きで「それでも不思議なもので、亡くなった人を今まで以上にとても近く感じる日もある」という記述を読んだとき、植木先生、武居先生と過ごした時間を思い出した。武居先生の黙々と小児糖尿病患者さんたちと歩んでいく姿。武居先生から引き継いだ患者さんが受診するときどきに、武居先生とのエピソードを教えてもらい、そんな風に子供たちに関わっていたのかと、思いを新たにする日は今でも続いている。植木先生の新しい機器、新薬に取り組む姿勢、その臨床的着眼点は、私がそれまで見ていた大学教授からは想像ができない素晴らしいものであった。貴田岡先生、植木先生、宮川先生と私の4人で夜10時まで研究会の様々な問題の対策会議のあと、疲れ切って一緒に帰途についたのも昨日のことのように思い出される。そういえば私が開業するのを後ろから背中を押してくれたのは、近藤甲斐夫先生と伊藤眞一先生だった。私の糖尿病診療は30年にわたって、西東京臨床糖尿病研究会(臨床糖尿病支援ネットワーク)に支えられてきた。さて、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬および類似薬、CGMなど新規医療機器の進歩は目を見張るものがあり、いくらでも改善できる余地があるのに、clinical inertiaなどと称されているように、自分の診療を振り返っても旧態依然の状態が続いているケースのなんと多いことか?こんな時植木先生ならどんな対応をするのかとふと考える。患者さんの例を一人紹介。43歳教員、独身。BMI24。HBA1c 8%台。毎日友人たちと飲み食べ歩く、楽しい日々。焼肉大好き2型糖尿病患者。今の幸せな生活を変えたくない。セマグルチド週一回注射でもコントロール困難。どういうわけか、チルゼパチドは嫌。さて、次の手は?週一回インスリンのイコデクが使えるようになったので、次回から試してみようか!?体重が増えるかな?読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題スティグマについて、正しいのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります)1.スティグマは糖尿病を持つ人のみに見られる問題である2.自己(セルフ)スティグマとは糖尿病であることを周囲に知らせることを指す3.糖尿病であることを理由に生命保険加入を断られたのは社会的スティグマの一例である4.医療従事者の言動や態度がスティグマの原因となることがある5.スティグマを打破するために社会に働きかけることをアドヒアランスという臨床糖尿病支援ネットワーク