ブックタイトル会報2025年3月

ページ
1/6

このページは 会報2025年3月 の電子ブックに掲載されている1ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

会報2025年3月

第261号令和7年3月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です急性期病院治療後、その先に…[当法人評議員]杏林大学医学部付属病院浅間泉[看護師]私事で恐縮ですが、昨年家族が頭部外傷で緊急手術を受け、突然患者家族の立場になりました。大学病院での治療は、各診療科医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、検査技師、放射線技師等多職種のチーム医療に支えられました。入院2ヶ月目で、医療ソーシャルワーカーと退院調整面談をしました。転院先の条件は、病院所在地、治療継続内容、リハビリテーション頻度、在院可能期間、費用負担面等です。既に入院60日以上が経過しており、医療保険制度上意識レベル要件も含め回復期リハビリテーション病院・病棟ではなく、選択できるのは、療養型病院のみでした。家族としては、長期的にみて意識回復の期待もあり、治療継続とリハビリテーションが実施できる施設を要望しました。また、大学病院では、安全上身体的拘束を優先せざるを得ませんが、施設の身体抑制をしない方針も選択した理由のひとつです。一方、急変時の対応はできないことも条件でした。候補病院の決定迄と家族が直接病院に連絡し面談に行きますが、転院先が決定する迄、数ヶ月を要し、長引く理由が分かりました。転院待ちは、在院日数が延伸し、病棟に申し訳ない気持ちと若干見放された感覚もありました。半年後、転院先が決まり安堵しましたが、医療療養病棟で全身管理が長期的に必要であり、懸念もありました。転院当日に、急変意向確認書の署名を求められ少し戸惑いました。転院後は、実施計画書に基づき、リハビリテーションを行うことができましたが、医療保険制度上、リハビリテーション回数にも制約があることも知りました。そして、転院先では、当然ながら夜間休日の当直は他施設医師の輪番制で、侵襲を伴う医療処置は他施設で実施することや看護体制等、ハード・ソフト両面の施設の実情を垣間見ることができました。一方で、昨年から医療を取り巻く環境の議論があります。診療科や医師の偏在を巡る問題や地方中心に病院の閉鎖や統合、規模縮小が相次いでいますが、都内でも例外ではありません。武蔵野市では、2次医療圏病院の閉鎖や中小病院が外来クリニックに転換していることを報道で知りました。病院設備の老朽化で建て替えは、経営上厳しい現実問題です。我が国は、医療法で病院の人員配置基準等が決められていますが、2次医療圏の急性期病院が40%以上と最も多いのです。しかしながら、急性期治療を終えたその先の療養型病院の医療提供体制の更なる整備が必要であると家族の立場を経験し感じました。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題経口血糖降下薬について誤っているのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります)1.α-グルコシダーゼ阻害薬の中にはアミラーゼ阻害作用をもつ薬剤もある2.ビグアナイド薬は乳酸アシドーシスのリスクからeGFRに応じた上限量が存在する3.イメグリミンの主な副作用は肝障害である4.SGLT2阻害薬によるケトアシドーシスは正常血糖の場合は血糖が上昇するまで様子をみる5.グリニド薬は短時間作用の為、単独投与による低血糖のリスクは中程度である臨床糖尿病支援ネットワーク