ブックタイトル会報2024年12月

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概要

会報2024年12月

第258号令和6年12月発行Page 3第12回日本くすりと糖尿病学会学術集会令和6年10月5日(土)~6日(日)仙台国際センター[当法人会員]公立昭和病院西條雅美[薬剤師]第12回日本くすりと糖尿病学会学術集会が、10月5日(土)、6日(日)の2日間の日程で、仙台国際センターで開催されました。コロナ禍でここ数年は、オンライン開催やハイブリット開催などでしたが、5年ぶりの完全集合型の開催で、全国より薬剤師を中心として912名の参加があったようです。テーマは「くすりと人でつなぐ新しい患者支援の輪共に踏み出そう未知の奥へ」です。また今回の学術集会では、糖尿病のある人へのスティグマ(偏見・差別)を払拭するため、糖尿病から「ダイアベティス」への呼称変更案に賛同すること、また呼称変更を通じて糖尿病の正しい疾患概念と治療の啓発を行い、糖尿病のある人が自分らしく生きていくことができる社会作りを支援していくことを、「東北宣言」として宣言されました。多くの興味深い演題の中から、今回はシックデイカード(図1)についてご報告させていただきます。日本くすりと糖尿病学会では、2022年の第10回学術集会にてシックデイカードを発表しましたが、今回アンケート調査を実施し、より使いやすいカードへ改訂されました。このシックデイカードの特徴は、糖尿病手帳やお薬手帳にはさんで携帯でき、シックデイ時の薬の服用量を食事量に合わせて患者自身が対応できる点、薬剤師による糖尿病薬の適正使用のための継続指導、多職種でシックデイに対する共通認識を持つことができる点などがあげられます。シックデイカードは自施設で作成、または日本くすりと糖尿病学会のカードを使用、JADECの糖尿病指導リーフレットと組み合わせて使用している施設、まだ使用していない施設など、様々な施設があります。シックデイカードの活用における問題点として、医師と他の職種や病院と保険薬局との連携が困難だったり、薬剤変更時の対応やマンパワー不足ですべての患者にシックデイカードを渡すことが難しい点などがあげられます。講演の中では導入方法として、まずは薬剤部内や病棟でシックデイカードの周知、糖尿病患者の外来担当者との打ち合わせ、近隣の薬局への説明会などが紹介されていました。しかしすべての患者に導入するのは難しいため、外来ではまず低血糖を起こしやすい患者、すでに起こしたことがある患者を選んで徐々に導入していくことも必要です。日常業務に追われ忙しい中、新しく取り組んでいくのはとても大変ですが、スタッフにやる気をだしてもらう方法として、担当者に成功事例をお互いに発表してもらうなどの取り組み事例もありました。この学会を通して、糖尿病治療薬と血糖の管理だけでなく、「糖尿病のない(図1)日本くすりと糖尿病学会シックデイカード人と変わらない寿命とQOL」を達成するために、薬薬連携や多職種連携、チームで関わることがとても大切であることを、改めて学ぶことができました。読んで単位を獲得しよう答え1,3下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説1:◯神経障害は下肢末梢を中心とした防御知覚の低下や運動神経障害による足部変形などを有することが多く、熱傷・外傷等で足壊疽を起こすリスクを予防する観点から定期的な観察が必要である。2:×失敗した際は起きた状況や気持ちを話し合い、予防策を共同で立てることが望ましい。患者の目標よりも高い運動強度に設定することは、むしろ失敗を繰り返す可能性があり望ましくない。3:◯4:×腎症4期(GFR区分:G4)では3?4METs以下の運動強度に調整することが望ましい。5:×バルサルバ型運動は息こらえを伴う運動であり、どの病期においても避けることが望ましい。臨床糖尿病支援ネットワーク