ブックタイトル会報2024年10月
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会報2024年10月
第256号令和6年10月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味ですアドボカシー活動はじめの一歩[当法人評議員]武蔵野赤十字病院山口佳美[臨床検査技師]先日、糖尿病スティグマとアドボカシー活動について考える機会がありました。所属する西東京CDEの会例会で、スティグマの現状を理解しどのようにアドボカシー活動を通じて改善できるかを話し合いました。私が初めて糖尿病のスティグマ問題を知ったときは、大変残念な思いがありました。糖尿病のある人が「糖尿病」というレッテルを貼られて、疎外感や差別といった否定的な感情を経験していること、中には私たち医療従事者が生んでいるスティグマ、「乖離的スティグマ」という類型があると知ったからです。私は大丈夫?○○するべきって言っていない?模範的な患者像に当てはめようとしていない?間違った認識や根拠のない認識は持っていない?いくつもの自問自答がありました。中でもスティグマを生じやすい用語に「血糖コントロール」があると聞きました。「コントロール」という言葉は避けるべきと言うけど、検査技師はコントロール良好が大好きな職種です。私たちは日常、糖尿病の診断と管理に関わる検査値を提供しています。正しい検査値を提供するため、コントロール値が良好なのは好きだけど、患者さんをコントロールしようとは思っていないのです。とはいえ、スティグマ解消やアドボカシーの重要性は理解できます。ならばと、糖尿病に関わる一人の医療従事者として、できることから始めよう!アドボカシー活動を考えてみました。まずは糖尿病に対する正しい知識を広めること。糖尿病に関する知識の不足は、差別を生む原因となります。臨床検査技師は検査結果を伝えるだけでなく、結果の解釈についてもわかりやすく説明する役割を担っています。糖尿病に対する正確な知識を提供して、病気の理解を深める手助けをします。患者さんやその家族にも病気のメカニズムを丁寧に伝えて、誤解が解消されるようにします。次に患者さんが抱える負担や不安に対して共感を示し、安心して質問できる環境を作ります。自己管理に取り組む際のサポートや管理方法についての情報を提供して信頼関係を築きます。また、自分の所属するチームや他職種のスタッフと連携して情報を共有し、適切な対応を心がけ、チーム全体でスティグマの影響を理解し、環境を整えるための協力体制を作ります。患者会やサポート活動にも積極的に参加します。患者会に参加することで、患者さん自身は自らの経験を共有し、体験談や成功事例を紹介し、病気への理解が深まります。サポート活動を支援することは、糖尿病のある人が社会での理解を得ることにつながります。糖尿病スティグマは、生活の質に深刻な影響を与える問題です。私たち医療従事者も正しく具体的な知識や技術を身につけ行動することがスティグマを減らし、アドボカシー活動の第一歩となることを改めて認識することができました。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題経口血糖降下薬について正しいのはどれか、2つ選べ。(答えは5ページにあります)1.イメグリミンにはインスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用の両方がある2.α-グルコシダーゼ阻害薬は内服後30分の禁飲食が必要である3.eGFR 30~60 mL/分/1.73m2の場合、ヨード造影剤使用後48時間はビグアナイド薬の休薬をする4.チアゾリジン薬により小型脂肪細胞が大型化し、アディポネクチン分泌が低下する5.すべてのSGLT2阻害薬は1型糖尿病に適応はない臨床糖尿病支援ネットワーク