ブックタイトル武居先生特別号

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概要

武居先生特別号

特別号令和4年8月発行Page 5まだなまえはない、そして、ファミリーキャンプ管理栄養士福島芳子「武居先生、今はどこにいらっしゃいますか」ファミリーキャンプの夜、暗闇の中に先生の豪快な笑い声が響き、満天の星が輝いていました。お星様になって、私達を見守ってくれているのでしょうか。2004年、小児・思春期糖尿病シンポジウムの帰り道、「まだなまえはない」の話題になり、「誰か栄養士さん、食事のこと書いてくれないかな」「ふくちゃん、書いたら」のやり取りで53号から執筆参加させていただき感謝です。診療所での1型の会で、子供達だけでなく、成人、家族の為のファミリーキャンプが必要だという思いから、試行錯誤の中、2005年ファミリーキャンプがスタートしました。最初は、キャンパー1人でした。年々、参加者も増えました。宿泊所も、山梨の「おいしい学校」になり、夜遅くまでミーティングの時を過ごしました。翌日は、武居先生の友達の家を開放してくださって、子供達は森の散策、大人達はバーベキューの準備。私達の望んでいたファミリーキャンプになりました。参加したお父様が、「家の子、あんなに食べてもいいですか。」美味しそうに食べる我が子の様子に感動していました。先生は、いつもの笑顔でした。私の「まだなまえはない」「ファミリーキャンプ」も、とっくに10年が過ぎていました。毎月のように、「ふくちゃん書けた?」「明日の朝まで待ってください」こんな会話も、今となっては懐かしいです。先生は、いつ、どんな時も、私達に新しいことを考え、先に進めるように元気をくれました。300号も書きたかったです。武居先生から学んだこと駒沢女子大学/緑風荘病院西村一弘武居正郎先生には30年ほど前に先生の母校である東邦医大病院で栄養に関する講義をさせていただいたことをきっかけに、西東京臨床糖尿病研究会の時代からご開業された現在まで、小児糖尿病患者の療養指導についてたくさんのことを学ばせていただきました。私の前職であり、現在も毎週非常勤で栄養室の運営顧問として勤務させていただいている社会福祉法人緑風会の酒井理事長(緑風荘病院院長)が、武居先生の大学の後輩に当たり、武蔵野赤十字病院の小児科にご勤務されている頃から、子供の朝食抜き学力低下の問題やTVが与える生活習慣病の問題など貴重な研究も学ばせていただきました。私が最もお世話になったのは1型糖尿病患者本人と家族の会である「つぼみの会」での活動です。サマーキャンプをはじめ、家族講習会、会員向け勉強会など様々な活動を一緒にさせていただき、時には厳しく時には優しく接し、サマーキャンプの参加児童や卒業生から慕われるお人柄や、ご家族からの厚い信頼を間近で拝見させていただき、医療者としての姿勢もたくさん学ばせていただきました。栄養スタッフは毎年ボランティア学生を募って、サマーキャンプを運営しており、新規学生には1型糖尿病のことを初回のミーティングの際に講義で指導していました。その際にも診療所の休日に緑風荘病院迄お越しいただき、無償でご講演いただき、学生教育もしていただきました。先生のご講義の内容は、全て子供たちのことを思った熱い想いが込められたもので、学生達も毎回聞き入っていたことを思い出します。先生の足元にも及びませんが、これからも先生の子供たちへの想いを教育の場で学生に伝えていきたいと思っています。発行元一般社団法人臨床糖尿病支援ネットワーク事務局〒185-0012国分寺市本町2-23-5ラフィネ込山No.3-802TEL:042(322)7468 FAX:042(322)7478https://www.cad-net.jp/Email:w_tokyo_dm_net@crest.ocn.ne.jp編集後記武居先生を偲ぶ特別号として、多くの先生方にご執筆いただきましたこと、心より感謝申し上げます。常に患者さんのことを思い、ご尽力されていた武居先生。先生にもうお会いできないと思うと悲しくてなりませんが、先生の情熱を私たち会員一人ひとりが少しでも継承していけたらと思っております。武居先生、本当にありがとうございました。合掌(広報委員佐藤文紀)臨床糖尿病支援ネットワーク