ブックタイトル武居先生特別号

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概要

武居先生特別号

特別号令和4年8月発行Page 1特別号~武居正郎先生を偲ぶ~令和4年4月16日に享年77歳にて永眠されました武居正郎先生を偲び、哀悼の意を表するものとして、ここに特別号を発行いたします。武居先生の情熱に触れて杏林大学医学部糖尿病・内分泌・代謝内科/近藤医院近藤琢磨武居正郎先生のご逝去に対し、改めてご冥福をお祈り申し上げます。先生は、皆さんご存じのとおり、長年1型糖尿病の患者さんの診療に全身全霊を傾けてきました。サマーキャンプや1型の会(旧ヤングの会)での活動を含めて、多くの子供達、若者達の命と心の支えとなってきました。そのような中で、旧西東京臨床糖尿病研究会、さらには一般社団法人臨床糖尿病支援ネットワークにおいて、この多摩地域における糖尿病診療に携わるメディカルスタッフや若手医師の育成にも、長年我々とともに携わっていただきました。この場をお借りして深謝いたします。私自身、1型糖尿病に関して格別の思い入れを持って診療や研究に携わってきましたため、武居先生はそのような私にとって、率直に何でも教えてもらえるメンターのような存在でした。8年前、北海道から東京に戻ってきた際、こちらでのサマーキャンプのことなどを伺っていたところ、「近藤先生のメールアドレスを教えて」と言われ、ご連絡を差し上げてからほどなく「まだなまえはない」を毎月送っていただくようになりました。そのなかで、サマーキャンプのことやご自身の近況(旅行に行ったときのこと、時に自身の健康診断の結果など、ご自身の身体についても率直に書かれていました)、さらには糖尿病治療の新しい進歩など、様々な話題に関して、先生独自の目線でわかりやすく皆に伝えようとされていました。「まだなまえはない」をほぼ毎月継続して執筆・編集され、我々医療従事者や患者さん、そのご家族に送られていたことは本当に驚くべきことで、個人的には先生から常に情熱を分け与えていただいた気がします。2022年4月23日土曜日の夕方、時間ギリギリで何とか間に合って武居小児科医院に到着しました。初めて伺った医院の診察室や待合室には、大勢の人が集まっていました。同業者はもちろん、おそらくは通院されていたご本人やそのご家族が多く含まれていたと思います。先生が亡くなられてから未だ日も浅く、ビックリしました、との多くの声があちらこちらで聞こえてきました。そして、皆一様にスタッフや先生のご家族に向けて「本当にありがとうございました。」と、お話されていたのが今でも忘れられません。院内の展示物の中には、今年の学会発表用に準備されたポスターが張られていたのを見たときには、込み上げてくる感情を抑えられなくなりました。最後に、「まだなまえはない」の「50年」という文章から、先生のお言葉を引用させていただきます。武居先生、本当にありがとうございました。?「50年間に多くの1型糖尿病の人たちと出会いました。立派に成人し社会人として働いている人、赤ちゃんを産んで立派に育てている人、特に医者、看護師、検査技師、医療に関係したメーカーなど医療関係で働いている人が多くいます。僕は1型糖尿病ではないですが、医師としていろいろとアドバイスをします。その結果を上手くいったとか、だめだったとかを患者さんに教えていただいています。また、このように工夫したら良かったとか、上手くいかなかったとか、僕らは患者さんたちに教えてもらっています。」?臨床糖尿病支援ネットワーク