ブックタイトル会報2022年7月

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概要

会報2022年7月

Page 2第229号令和4年7月発行第65回日本糖尿病学会年次学術集会令和4年5月12日(木)~14日(土)神戸会場/ライブ配信東京都立多摩総合医療センター川崎元樹[医師]第65回日本糖尿病学会年次学術集会は、5月13日(木)から15日(土)まで、兵庫県神戸市の神戸国際展示場・ポートピアホテルで開催されました。実に3年ぶりの現地開催となり、私も久しぶりに新幹線に乗り、現地でポスター発表を行いました。私が参加したのは土曜日であったこともあり、満員で入れないセミナーがあったり、神戸スイーツの配布サービスに長蛇の列ができたりするなど、会場は大盛況でした。普段なかなかお話できない遠方の先生とお会いしたり、企業出展ブースで様々な会社の血糖自己測定器や穿刺器具を実際に試したり、ポスター発表会場で興味深い発表をされていた先生に質問をして名刺交換するなど現地開催の良さを思い出した時間でした。また今回の学会は現地開催に加え、Web上でのライブ配信、ならびに学会期間終了後のオンデマンド配信が用意されていましたので、道すがらの新幹線の中ではWeb上のライブ配信を聞くことができ、会場で聞き逃した講演も後からオンデマンドで聴けるので、便利な時代になったなと感じました。今後も現地+Webのハイブリッド開催の継続に期待したいところです。さて今回の学会でも様々なホットトピックがありましたが、中でも非常に印象的であったのが、2022年1月から販売が開始された新しいインスリンポンプである「ミニメド?770G」の話題でした。「オートモード」と呼ばれる日本初のハイブリッドクローズドループ技術を搭載し、血糖値120mg/dLを目標に、ポンプが自動でベーサルインスリン投与量を増減する画期的なポンプです。また付属するリアルタイムCGMのセンサー精度も向上しており、使用している先生方からは非常に高い評価が聞かれました。ボーラスインスリンは現状では手動ですが、海外ではそれさえ自動調整してしまうポンプも出てきているようであり、先端技術の進歩には目を見張るばかりです。もう一つ印象的であったことは、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の立ち位置の変化です。心血管疾患、心不全、慢性腎不全などに対する様々なエビデンスがここ数年で矢継ぎ早に発表され、海外のガイドラインでは糖尿病に対する治療薬の選択において、心血管疾患、慢性心不全、慢性腎不全などを有する場合、HbA1cやメトホルミン投与の有無とは無関係に、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の投与が推奨されるようになりました。また糖尿病に対して注射療法が必要と主治医が判断した場合、以前は持効型溶解インスリンの導入が標準的でしたが、近年はインスリンよりもGLP-1受容体作動薬の導入を優先することが推奨されるように変化しています。私自身の外来でも、慢性心不全や慢性腎不全に対して期待される効果を主目的としてこれらの薬剤を使用する患者さんや、GLP-1受容体作動薬を用いてインスリン導入せずに高血糖状態を是正できた患者さんが増えており、時代の変化を感じています。時流に乗り遅れないよう、知識のアップデートに今まで以上に努めようと気を引き締める良いきっかけとなりました。臨床糖尿病支援ネットワーク