ブックタイトル会報2022年5月

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概要

会報2022年5月

第227号令和4年5月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です新代表理事、業務執行理事に寄せて[当法人理事]医療法人社団ユスタヴィア宮川髙一[医師]新しい2022年度が始まりました。コロナ禍はさらに第7波のはじまりのような増加、ロシアのウクライナ侵攻もあり、非常に落ち着かない世相の年になってしまいました。しかし当法人としては大きな節目の年になりました。新しく近藤琢磨先生が代表理事に、そして清新な松下隆哉先生、矢島賢先生、杉山徹先生が業務執行理事になられました。いままさに西東京の臨床の中心にいる世代の素晴らしいメンバーが、この法人をさらに発展させていかれることを大変期待しています。理事にも評議員にも、この地域の糖尿病診療を支える医師・メディカルスタッフがさらに重層的に加わりました。現在まで長年の間、当法人の発展に尽くされてきた、貴田岡正史代表理事、菅野一男業務執行理事が勇退し、監事となられました。また昨年植木彬夫業務執行理事がご逝去されたこともいまだに信じられないでいます。1986年に近藤甲斐夫先生、伊藤眞一先生が「病診連携」を目的に創設され、貴田岡先生が2002年にNPO法人化、2016年に一般社団法人に移行、名称も「西東京臨床糖尿病研究会」から「臨床糖尿病支援ネットワーク」になりました。私も研究会に、中野忠澄先生とともに、1987年第3回目の会合より参加させていただき、NPO法人以降、理事の末席をけがさせていただいています。もう35年にもなるんだと自分でも驚いています。大きく発展したことは事実ですが、これからの課題も明確になりつつあります。不肖わたくしが思う課題を述べさせていただきます。勝手な意見ですので是非ご批判のほどお願いいたします。1.高齢化社会における医療・介護連携のありかた「介護職セミナー」「西東京LCDE初級講座」「在宅事業委員会」などが計画されましたが、残念ながらオンラインで一部実施されたのみで、多くは中止になってしまいました。ポストコロナに向けた戦略が必要と思います。2.より高度になった糖尿病薬物療法、療養指導の普及啓発、医療連携の推進糖尿病は患者数が多く、第一線の実地医家がまず診る疾患にもかかわらず、薬物療法や療養指導がさらに高度化している側面があります。ポンプも半自動の770Gが発売予定であり、ウルトララピッドインスリンの上市、複雑化する経口薬療法、従来の食事療法の見直し、カーボカウント法など新たな技術が、コロナ禍で情報共有が難しい中でどんどんと出てきています。またそれに伴った療養指導の在り方も高度化していかざるを得ません。専門医と実地医家の医療連携のありかたを新時代に見合って整理する時期に来ていると思います。3.世代交代を地域のすみずみまでいまだ医師会や医療連携検討会の中枢を私のようなロートルが担っているのは良くないと考えています。地域医療の隅々まで支援ネットワークの力で世代交代を進めていただければと思います。勿論私も努力します。新しい代表理事、業務執行理事によってさらなる飛躍を願ってやみません。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。問題●次の文章を読んで以下の質問に答えてください。45歳、男性。以前より健診で肥満、高血圧、高血糖を指摘されていたが受診せず。新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務。1か月前から口渇、多飲、多尿、倦怠感が出現し、清涼飲料水を1日3L飲んでいた。体重減少(-10kg)、腹痛、嘔気も出現し、当院受診。身長175 cm、体重88kg。血圧125/75mmHg、脈拍88/分、整。意識清明。空腹時血糖値625 mg/dL、HbA1c 14.2%、BUN 42mg/dL、クレアチニン1.4 mg/dL、尿糖(4+)、尿蛋白(-)、尿ケトン体(3+)この患者にまず行う治療として正しいのはどれか、2つ選べ。1.清涼飲料水摂取の中止、食事療法(1800kcal/日)を指導し、1か月後に再診する2.有酸素運動と筋肉トレーニングを開始させる3.SGLT2阻害薬を開始する4.インスリン治療を開始する5.生理食塩水を点滴投与する臨床糖尿病支援ネットワーク