ブックタイトル会報2022年3月

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概要

会報2022年3月

第225号令和4年3月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です糖尿病療養指導(支援)の専門性について[当法人評議員]クリニックみらい立川菅原加奈美[看護師]現在私は、看護協会で実施している「特定行為研修」を受講しています。全国から様々な分野の認定看護師が集合し共に学ぶ集合研修と「血糖コントロールに係わる薬剤投与関連」を医師から学ぶ実施研修があります。先日集合研修のグループワークで「糖尿病の患者さんって指導が大変そうってイメージしかないですが、指導方法や看護の役割をどう捉えていますか?」という質問を受けました。「私の糖尿病療養支援の目標は、患者さんの糖尿病への過去の想いを聴き、現在の病状や目標を共に考え、未来を想像してもらい患者さんの人生の四季に寄り添えるような看護をしていく事です」といつも考えている事を話しました。「え?過去や未来も考えるの?今か長くても退院して3日後位の事しか考えて指導したことしかなかった!」と他の専門分野の看護師さんから驚きの声と拍手の反応が返ってきました。糖尿病療養指導は看護分野の指導の中でも当たり前の事ではなく専門性があるんだと改めて振り返る機会を得ました。私が糖尿病療養指導士になろうと思ったのは、病院の総合内科で5年目の看護師として勤務していた頃でした。入院中に糖尿病と診断された患者・家族へ退院後の生活について正しい支援をしないと病状の悪化や入退院を繰り返す方がいる。療養指導は生活(食事、運動、感染対策)を支援する役割の看護師だからこそできる提案や視点が多くあるのではないか?と思ったからでした。療養指導士になり立ての頃は参考書やパンフレットの全ての指導をする事が患者さんの為になるという呪縛から逃れられず、30分以上は必ず時間を作り予習復習をしながらパンフレット通りの指導をがむしゃらにしていました。マニュアル通りの説明に患者さんはとても退屈だったのでは?と今では思います。経験を重ねていくと個々の病態には様々違いがある様に生活背景にも驚くほど個別性がある事を患者さんから学び、療養指導という看護師が患者に指導するという一方的に聞こえる言葉に違和感を覚えるようになりました。患者さんとの間に信頼関係が構築されると効果的な支援に時間がかからなくなる事や患者さんが迷いの中にいる時は新しい提案の受容は困難となる事が理解、実感できるようになりました。タイミングがとても重要だという事も学びました。点で支援を考えるのではなく曲線のイメージで捉えると支援に広がりや希望が見え、私自身の支援の時間軸も変化していきました。今後も職場や西東京の皆様と語り合い、様々な症例を共有していきたいと思っています。日々糖尿病の治療やデバイス機器は進歩、進化を遂げており、患者さんの為に努力を惜しまず学んでいきたいです。まだまだ未熟で思い描く看護師像には程遠いですが、診療の補助の役割をしっかり果たせる看護師に、また知識や技術、人間性も豊かになれるよう、これからも療養指導士としての学びを深めていきたいです。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題運動開始時のメディカルチェックとして正しいのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります)1.運動負荷試験は全例に行うべきである2.早期腎症期(腎症第2期)以降では、病態により運動の程度を調整する3.眼底出血直後の急性期には安静を保つ4.空腹時血糖250mg/dL以上で尿ケトン体陽性の場合は、運動すべきでない5.運動をしていない場合、身体活動量の評価は不要である臨床糖尿病支援ネットワーク