ブックタイトル会報2022年2月

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概要

会報2022年2月

第224号令和4年2月発行Page 3第8回日本糖尿病医療学学会令和3年10月9日(土)~10日(日)Web開催[当法人評議員]公立昭和病院松本麻里[看護師]糖尿病医療学とは、心理的社会的問題を少なからず抱える患者に対して、患者-医療者の人間・信頼関係を基礎として、その人の人生を視野に入れ、患者の価値観を尊重し、より広い視点に立ったアウトカムを患者とともに考える学問であり、今回の学会でも困難症例ディスカッション、コーチング、動機付け面接、風景構成法など「こころのなか」に触れるための技法や心構えなどが学べる場となっています。第8回目の今回は、Withコロナがサブタイトルでしたが、コロナに感染した患者の症例ディスカッションというよりは、コロナという感染症が糖尿病患者にもたらす孤独、疎外、恐怖、経済的困窮というネガティブな部分を医療者はどう捉え患者と向き合うかを考えさせられるものでした。そんな中で皆藤章先生が心理学講座12でおっしゃっていた「ネガティブケイパビリティ」という概念に着目し、私なりに考察したいと思います。そもそも「ネガティブケイパビリティ」とはなんなのか、昔、詩人のジョン・キーツという人がいて、死にゆく自分の心の中の「どうにもならない葛藤」を受容する能力を記述した言葉で、後にビオンという精神科医によって再発見された言葉であり、日本では「答えの出ない事態に耐える力」と認識されています。医療現場でいうとHbA1cが10%を超えそうなインスリン導入が必要な患者で、インスリンを打った方が絶対にいいのに「インスリンはどうしても打ちたくないんです。でも血糖値は気になるんです。」と言う患者や、自分が嫌いと言って過食嘔吐をどうしてもやめられない患者、精神的に寂しくなると出会い系サイトで相手を探す患者…など、医療者からすると「なんで選べないのか、やめられないのか」と思ってしまいがちですが、このような人達は、自分自身の持つ矛盾を認識しながら「選べない」「動けない」状態であり、そのように「選べない時間」を抱えて生きなければならないのです。自分の中の矛盾を抱えて生きること、それはとても苦しいことだと思います。その人にしかわからない領域であり、私たちが不用意に踏み込むことが許されない部分でもあります。到底理解できないことに相対した時に、私達医療者は脳科学的に患者を「処理」しようとします。なぜなら現代社会では、「早急に答えを出す」ことを求めるからですが、実際は上記の患者のように答えの出ない問題を抱える患者が多く、結果を急ぐことは、解決できない問題や中途半端な状態を無視することに他なりません。しかし患者はその苦しさがあるからこそ、生きるためのプロセスとなり、魂を研ぎ磨くことにもつながります。そのような可能性を持つ患者に私たちができる事は何かを考えた時に、患者の負(ネガティブ)をあるがままに受け入れ、耐えうる能力を持つこと、それが「共感」となり共に作用し合いながら患者の成長につながるのでは、と自分なりに考察しました。読んで単位を獲得しよう答え1,4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説CGM・isCGMは間質液中GLUの連続測定により血糖自己測定では捉えづらかった夜間低血糖・無自覚性低血糖の発見など、良好な血糖コントロールに役立つ検査です。1.〇2.×isCGMはファクトリーキャリブレーションと言って工場出荷前に較正し、かつ2週間で廃棄されることから、較正は必要ないとされています。3.×適用は強化インスリン療法または強化インスリン療法後の混合インスリン療法となっているので、2型糖尿病のみの適用ではありません。4.〇5.×センサー交換は5日~10日と様々です。対応機器の使用書に従いましょう。臨床糖尿病支援ネットワーク