ブックタイトル会報2021年12月

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会報2021年12月

第222号令和3年12月発行Page 3第26回日本糖尿病教育・看護学会学術集会令和3年9月18日(土)~19日(日)Web開催東海大学医学部付属八王子病院高松千織[看護師]今年の日本糖尿病教育看護学会は、会場とWebのハイブリット開催の予定でした。しかし新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、Webのみの開催となりました。久々に糖尿病看護を頑張っている仲間に会えることを楽しみにしていましたが、今年もそれは叶わず、次の機会のお楽しみとなりました。今回私が拝聴した講演は、京都大学大学院医学研究科任和子先生の「糖尿病看護においてAPCを考える」です。ACPはAdvance Care Planning(アドバンス・ケア・プランニング)の頭文字をとったもので、人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスのことである、とされています(厚生労働省、2018、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」解説編より)。糖尿病は生活習慣に関連している病気ですが、ガンや心疾患のように死を強く連想するイメージはありません。実際、糖尿病患者の死因第1位は悪性新生物38.3%、第2位は感染症17.0%、第3位血管障害(慢性腎不全、虚血性心疾患、脳血管障害)14.9%となっています(糖尿病ネットワーク、日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する調査委員会」による調査2017年4月より)。人生最終手段の医療・ケアに、糖尿病看護はどのような切り口で介入していくのか、そんな思いで拝聴しました。これを読んでくださっている皆さんは、普段、医療を提供する中でAPCについて考える機会はありますか?実際に実践されている方はどれくらいいらっしゃいますか?ACPは倫理的側面が大きいため、私自身は介入がとても難しいと感じています。任先生は、日本におけるAPCで文化的に配慮すべきことについて、推奨事項として1.患者さんを中心としたアプローチに家族を含める。日本の医療において、家族は最初から参加者として扱われる、医療従事者は家族の調和を保ちつつ患者中心のアプローチを大切にする必要がある。2.あいまいさを排除するために、社会的な認知度を高め法律を制定する。家族を中心とした文化のため、家族の希望が患者の希望よりも重視される傾向がある、日本ではAD(アドバンス・ディレクティブ:事前指示)は法的効力を持たず、最終的に患者の意向が尊重されるとは限らない、と解説しています。さらに、糖尿病看護においては介入の時期が難しく、糖尿病を持つ人にがんや腎不全、透析、認知症などが重なったときにAPCを考えることを突き付けられると述べています。糖尿病看護にたずさわる者が糖尿病を持つ人のAPCについて葛藤する状況を話し合い、ベストな対応を検討することで知見を積み重ねることが重要である、と講演を締めくくっています。死は遅かれ早かれどの人にも、もちろん私自身にも必ず訪れます。まだまだ学びの途中ですが、経験知を重ね、患者さんの人生の最終段階に関わることのできる看護師に成長していきたいと思います。読んで単位を獲得しよう答え3,5下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説1.〇補食とは、血糖変動が大きい場合や強い運動など実施した時に低血糖対策として摂取し、血糖変動の是正を図るものです。2.〇1日の指示エネルギー量にプラスして補います。3.×運動の途中で低血糖症状になったときは、吸収が速やかなブドウ糖、砂糖、ジュースなどを補いますが、運動前の補食には消化・吸収の遅い食品が適しています。4.〇運動前の補食には消化・吸収の遅い牛乳、卵、チーズ、クッキーなどを用います。5.×4の解説の通りです。臨床糖尿病支援ネットワーク