ブックタイトル会報2021年10月

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概要

会報2021年10月

Page 2報告第220号令和3年10月発行平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:令平和成329年7月7 119日(日)2021年度西東京糖尿病療養指導プログラムオンライン場所:駒沢女子大学第17回西東京教育看護研修会[当法人会員]東海大学医学部付属八王子病院久保麻衣子[看護師]7月11日(日)、第17回西東京教育看護研修会が開催されました。コロナウイルス流行のため、昨年度は開催できなかった当研修会。今回初めてZoomでのオンライン開催となり、約200名の方が参加してくださいました。主催する私たちも、参加者の皆さんも慣れない中での開催でしたが、突然の雷雨に負けることなく無事に会を終了することができました。各ご施設お忙しいにもかかわらず、参加していただけたことを大変嬉しく思いました。さて、今回の研修会のテーマは「ACP(AdvanceCarePlanning)」で、医師、看護師、臨床心理士、様々な分野の先生方からご講演いただきました。まず杏林大学医学部糖尿病・内分泌・代謝内科講師近藤琢磨先生より「ACPを意識した糖尿病診療」、続いて杏林大学保健学部臨床技術検査科准教授角田ますみ先生より「患者・家族に寄り添うACP」、午後には「糖尿病医療学から見たACP」と題し、奈良県立医科大学特任教授臨床心理士皆藤章先生よりご講演いただきました。さらに、糖尿病看護認定看護師3名より「糖尿病合併症で自己決定に関する支援症例」と題し、実際の臨床現場で出会った患者さんとのACPについての症例が提示されました。症例について参加者の皆さんとのディスカッションはチャットにて行い、たくさんの意見や感想が寄せられました。演者と同様の悩みや葛藤を抱えながら日々患者さんに寄り添っている皆さんのACPへの関心度の高さがうかがえました。3症例どの患者さんにも根気強く寄り添う看護師の姿があり、看護の力に感動する方もいたのではないでしょうか。またコロナ禍で他施設の方々との交流が難しい中、研修会を通し、自分以外にも糖尿病看護を頑張って実践し続けている人がいることを知り、力をもらえた方もいたのではないでしょうか。研修会を通して得たACPの知識や思いを大切に、是非各ご施設で活かしてもらえたらと願います。第17回西東京薬剤研修会[当法人会員]豊島医院深野光司[薬剤師]薬剤研修会では糖尿病合併症である神経障害、腎症、網膜症、歯科領域に関して4人の先生からご講演をしていただき、49名の参加がありました。神経障害については当法人理事の植木彬夫先生よりご講演いただきました。神経について解剖学的に図解していただき、神経による活動電位の伝わり方の違い、神経障害のメカニズムやその成因である解糖系側副路代謝、糖化、小胞体ストレス、栄養血管障害のほか、具体的な検査方法や対症療法について学びました。腎症については杏林大学医学部腎臓・リウマチ膠原病内科の福岡利仁先生よりご講演をいただきました。腎臓の構造と機能、腎障害の進展機序、糖尿病性腎臓病の透析リスク、治療目標、管理、多職種連携について立体的なイラストや写真をたくさん使って解説していただき、とてもわかりやすかったです。糖尿病性網膜症については杏林大学医学部眼科の石田友香先生よりご講演いただきました。写真や動画で網膜症の違いや手術の様子を示していただきました。糖尿病と診断されても眼科に受診していない患者が約1/4ということから保険薬局の薬剤師からも受診勧奨することが重要であることを認識しました。歯科領域については日本歯科医師会常務理事小玉剛先生よりご講演いただきました。歯周病治療により局所と全身の慢性炎症が減弱し、25研究の平均ではHbA1cが0.79%低下したとのことです。また、オーラルフレイルになると身体的フレイル発症リスクが2.41倍に増加し、要介護認定も2.35倍高くなることから、多職種で連携し、オーラルフレイルを予防する必要性を感じました。4つの講演を通じて、血糖、体重、脂質、血圧、口腔内などのトータルケアの重要性を改めて確認しました。また、オンラインならではのチャット機能を使って質問を思いついたときに入力しておくことができるので、たくさんの疑問点に答えていただくことができ、有意義な研修会となりました。臨床糖尿病支援ネットワーク