ブックタイトル会報2021年4月

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概要

会報2021年4月

第214号 令和3年4月発行 Page 3臨床糖尿病支援ネットワーク第58回日本糖尿病学会関東甲信越地方会は、東京都大田区の産業プラザPiOで開催予定でしたが、コロナウィルス感染症の流行のため,インターネット上でのオンライン配信によるWeb開催となり、ライブ配信は1月30日~31日の2日間、オンデマンド配信は2月26日までの約1か月の期間で開催されました。学会会場まで足を運び、病院外の様々な先生と意見交換し、おいしいご飯を食べ、観光を楽しむのも学会の醍醐味の一つで、それが無くなってしまうのは残念な気持ちになります。一方で、Web開催は天候の影響を受けず、空いている日に自宅からMyパソコンでドリンク片手に気軽に参加でき、スライドも大きく見え、メモも取りやすい等々、オンラインならではの良い点もあります。コロナウィルス感染症が落ち着いたら、現地+Webのハイブリッド開催にも期待したいところです。今回の学会では、当院内分泌代謝内科の小藤 知輝先生が、30歳代と若年ながら高度の肥満やコントロール不良の糖尿病などの併存疾患を多数持ち、コロナウィルス肺炎で一時重症化したものの、人工呼吸管理を含めた集中治療により救命できた方の症例報告を行いました。コロナウィルス肺炎で入院や集中治療を必要とする方の大部分はご高齢の方ですが、稀に若年の方も含まれます。その場合は、ほぼ確実に肥満、高血圧や糖尿病など生活習慣病を持っており、特に「健康診断を受けていない」「以前指摘されたがずっと放置していた」というパターンが多い印象があります。コロナウィルス感染症を契機に様々な社会問題が表面化する中、あるコメンテーターの方が、『コロナウィルスは「うやむやにしていたこと」をあぶり出す巧妙なウィルスだ』と指摘していましたが、生活習慣病においても、まさにその通りだと感じています。さて、今年はインスリン発見から100年の節目の年で、注射薬の進歩に関するセッションも印象的でした。最近では超超速効型インスリン製剤や、持効型インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の合剤が上市され治療の選択肢が広がっています。また週1回投与のインスリン製剤 (Icodec)、GIP/GLP-1受容体Dual agonist (Tirzepatide)やGLP-1/グルカゴン受容体Dual agonist (Cotadutide)の臨床試験も順調に進んでおり、その高い臨床効果が注目されています。また、インスリンの経口製剤はまだ開発半ばですが、今まで注射薬しかなかったGLP-1受容体作動薬の領域にはリベルサスという経口薬が2021年2月に上市されました。糖尿病の患者さんの治療選択肢が増え、治療負担が少しでも小さくなることを願うばかりです。最後になりますが、2018年4月から1年間、神戸の隈病院で甲状腺診療の修練を積むため関東を不在にしておりましたが、2019年4月から多摩総合医療センターの内分泌代謝内科に戻って診療を行っています。今後とも皆様からのご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。第58回日本糖尿病学会関東甲信越地方会令和3年1月30日(土)~31日(日)Web開催東京都立多摩総合医療センター川崎 元樹 [医師]答え 1,2 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説1.α-グルコシダーゼ阻害薬は二糖類から単糖類への消化を阻害する作用を持つ2.SGLT2阻害薬は、近位尿細管においてグルコースの再吸収を阻害して尿糖排泄 量を増加させる読んで単位を獲得しよう