ブックタイトル会報2021年3月

ページ
3/6

このページは 会報2021年3月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

会報2021年3月

第213号 令和3年3月発行 Page 3臨床糖尿病支援ネットワーク2020年10月5日~16日に第63回日本糖尿病学会年次学術集会が開催されました。今年はコロナ禍という異例の事態となり、オンデマンド配信を利用した学会となりました。私は多職種が関連した学会に参加させていただくのは今回が初めての経験であり、内容や規模の大きさに圧倒されながら毎日1時間程度の講演を興味深く学ばせていただきました。今回のトピックスは、やはりCOVID-19と糖尿病との関わりではないだろうかと思います。この演題について、京都府立医科大学の山﨑先生が講演され、隔離されたCOVID‐19入院患者に頻回SMBGを行うことは感染リスクの増加や医療者のストレスにもつながるということで、Real-TimeCGM(講演ではDexcom G4)を装着して遠隔モニタを行いつつ、インスリンの調整を細かく行うという方法が紹介されていました。また、コロナ禍でのストレスが運動や食事に影響し、糖尿病を悪化させることも示されました。治療に関してはSGLT2阻害薬に関する演題を拝見させていただきました。日本や諸外国からのデータより、血糖値の改善と心不全のリスク回避や腎機能の保護に効果があるという発表を興味深く伺いました。猛威をふるっているCOVID-19に対峙している状況で、諸先生方の講演をオンデマンドでの学会という形で学ばせて頂いたことを大変感謝しております。[当法人会員]杏林大学医学部付属病院鈴木 光一 [臨床検査技師]第63回日本糖尿病学会年次学術集会が、10月5日?16日Webで開催されました。元々は5月に滋賀県で開催予定でしたが、COVID-19のため延期となり上記のような形式となりました。今回は、「縦糸と横糸で織りなす糖尿病学の基礎と臨床?チーム医療で目指す糖尿病のトータルケア?」というテーマで、糖尿病の基本的な内容から実臨床・現在の治療の相互関係等、様々な職種から多くの演題が挙げられていました。運動分野のシンポジウムでは、「運動療法の今後」という大枠で、6名の先生方が筋肉量・質の低下が、糖尿病患者にどう影響するか講演されていました。その中で肥満者が代謝疾患になりやすいというのは、以前から言われていましたが、日本人では肥満でなくてもインスリン抵抗性が出現しやすく、骨格筋の量や質・インスリン抵抗性に多くのパターンがあり、状態に応じて個別化した運動療法が必要と述べられていました。本年、糖尿病治療ガイドに記載された目標設定が、「健康な人と変わらないQOLの維持と健康な人と変わらない寿命の確保」から「普通の人と変わらない人生」へ変更され、その過程ではサルコペニアとフレイルの予防・管理も追記されました。高血糖だからといって有酸素運動を指導するのみでなく、その人の生活にあった運動方法で筋力強化・体重管理を実施し、総合的に身体作りを行う必要があり、療養指導の個別化がより強調されてきたと感じました。[当法人会員]八王子山王病院水谷 健 [理学療法士]