ブックタイトル会報2021年3月

ページ
2/6

このページは 会報2021年3月 の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

会報2021年3月

Page 2 第213号 令和3年3月発行臨床糖尿病支援ネットワーク答え 2,4 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満、インスリン抵抗性を基盤として脂質代謝異常、 耐糖能障害、高血圧といった動脈硬化危険因子が重積することによって動脈硬化性疾患の発症が増加するとした概念である。日本の診断基準では、内臓脂肪蓄積をウエスト周囲長(男性85㎝以上、女性90㎝以上)で代替させ、加えて2つ以上の危険因子を有するものと定義し、内臓脂肪蓄積を必須項目としている。1.〇2.× 高血糖の基準は、空腹時血糖110mg/dL以上である。IDF(国際糖尿病連合) では100mg/dL以上としている。3.〇 脂質代謝異常の基準は、高中性脂肪血症(150mg/dL以上)かつ/または、低HDLコレステロール血症 (40mg/dL未満)4.× 高血圧の基準は、収縮期血圧130mmHg以上かつ/または、拡張期血圧85mmHg以上5.〇読んで単位を獲得しよう初めてのオンライン開催となり、会期も当初の5月から10月に変更となりましたが、シンポジウムの視聴やポスターの閲覧などは通常時と変わらず(むしろ快適)に参加できたので、とても良かったです。移動時間などを利用して自分の生活のペースに合わせて視聴することができました。その中で今回の学会で特に印象に残った内容を3つ紹介します。1つ目は『会長特別企画3 医学・医療に果たしたインスリンの偉大な功績を讃えて』の中で、インスリン自己注射が保険適応を取得するまでの道のりについて話をされていました。現在私たちはSMBGやインスリン自己注射を当たり前のように指導していますが、日本において自己注射が保険適応を取得したのはインスリン発見から60年後の1981年であり、長期にわたり困難な過程を経ている事がわかりました。その当時、患者やその家族のためを思って奮闘された先生方の苦労を知ることができて良かったです。来年はインスリンの発見から100年の記念すべき年となるので、インスリンの歴史についてさらに深く学んでいきたいと思いました。2つ目は『シンポジウム15 新規糖尿病治療薬の動向と期待』を視聴し、新薬についての知識を深める事ができました。重症低血糖の救急処置に使用するグルカゴン点鼻製剤(バクスミー)は2020年10月に発売されました。室温で管理でき、携帯可能な1回使い切り製剤であり、注射薬よりも手技が簡便であるため患者家族や介護者にとって使用しやすい薬剤となっています。また、今後承認予定の新薬としてはGIP・GLP-1作動薬やGLP-1製剤の内服薬、ミトコンドリア機能改善薬などが挙げられており、今まで以上に個々の病態に合わせて治療薬が選択できるようになると思われます。最後に今年も複数のシンポジウムで取り上げられていたSGLT2阻害薬についてですが、1型糖尿病への使用実態や最新の臨床試験の結果を知る事ができました。また、腎保護、心保護などの臓器保護作用が認められたことから、今後の糖尿病診療、糖尿病合併症診療に大きく期待されている薬剤となっています。具体的には、心不全の適応を取得予定であり、糖尿病の既往がなくてもSGLT2阻害薬を使用できるようになります。(学会終了後の2020年11月にフォシーガ錠は適応追加となりました)SGLT2阻害薬を服用する患者は今後更に増えると思われるため、薬剤師として患者に正しく服薬指導を行うのはもちろんのこと、時には医療スタッフに対しても副作用や注意事項について周知していかなければと思いました。第63回日本糖尿病学会年次学術集会令和2年10月5日(月)~16日(金)Web開催[当法人評議員]青梅市立総合病院指田 麻未 [薬剤師]