ブックタイトル会報2020年12月

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会報2020年12月

Page 4 第210号 令和2年12月発行臨床糖尿病支援ネットワーク8.速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)(血糖非依存性インスリン分泌促進系)66頁・前項のSU薬と同じく、膵β細胞膜上のSU受容体に結合し、速効かつ短時間のみインスリン分泌を促進します。したがって、前項で述べたようにSU薬との併用は薬理作用上意味がなく、保険請求も認められません。・一日3回の各食直前服用が必要なこと、心血管イベント抑制のエビデンスが少ないことから、処方頻度は減少していますが、食後高血糖の是正には有効な薬剤です。副作用としては食後の低血糖に留意が必要です。・シックデイでは速やかに休薬するよう日頃から指導します。9.インスリン療法(図15: 70-71頁参照、製剤一覧は付録:140-144頁参照)・インスリンの絶対的適応については67頁に記載の通りであるが、4)重症感染症、外傷、全身麻酔を要する外科手術、5)糖尿病合併妊婦、6)静脈栄養時の血糖コントロール、についても改めて確認しておきたいと思います。・インスリンの相対的適応についても記載通りですが、1)著しい高血糖の具体的な基準として、空腹時血糖値250 mg/dL以上、随時血糖値350 mg/dL以上、3)やせ型で栄養状態が低下している場合、4)ステロイド使用時、などについて確認しておきたいと思います。・インスリン療法の実際(68頁)、血糖自己測定(69頁)、経口薬からインスリン療法への移行(72頁)などについても具体的に詳細に記載されています。10.配合錠および基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合注射薬(付録:138-139頁)・患者さんの服薬あるいはアドヒアランス向上のため、配合錠や配合注射薬の重要性はますます高まっています。ただし、内服の場合、配合錠を第一選択薬として用いることができないことは注意する必要があります。答え 3,5 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説高浸透圧高血糖状態は著しい高血糖と高度な脱水により血漿浸透圧の上昇を来し、種々の程度の意識障害を呈する病態である。高齢者に多い、2型糖尿病に多い、血糖>600mg/dL(多くの場合>800mg/dL)、動脈血pH 7.3~7.4といった特徴がある。一方、インスリンの絶対的欠乏で引き起こされる糖尿病ケトアシドーシス(DKA)は、若年者(30歳以下)に多い、1型糖尿病に多い、血糖>250mg/dL(多くの場合)、動脈血pH ≦7.3といった特徴がある。解答肢1、2、4は高浸透圧高血糖状態ではなく、DKAについての記載である。読んで単位を獲得しよう