ブックタイトル会報2020年12月

ページ
3/6

このページは 会報2020年12月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

会報2020年12月

第210号 令和2年12月発行 Page 3臨床糖尿病支援ネットワーク4.SGLT2阻害薬(インスリン分泌非促進系)61-62頁・現在、6種類が使用されています。尿糖排泄を促進し、血糖低下作用及び体重減少効果が期待されます。心腎保護作用が明らかとなっており、特に心機能の低下した症例の生命予後を改善します。また、冠動脈疾患罹患歴のある例や糖尿病性腎臓病のある例でも予後の改善が期待されます。・イプラグリフロジン、ダパグリフロジンの2剤は1型糖尿病の保険適用となっています。・尿路感染症、性器感染症の発現には注意が必要な他、高齢者や利尿薬併用患者など体液量減少を起こしやすい患者では適度な水分補給を行うよう指導します。・シックデイでは速やかに休薬するよう日頃から指導します。5.DPP-4阻害薬(血糖依存性インスリン分泌促進系)63-64頁・現在、1日1?2回服用のものが7種類、週1回服用のものが2種類使用されています。DPP-4の選択的阻害により、活性型GLP-1濃度および活性型GIP濃度を上昇させ、血糖依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することによって、血糖降下作用を発揮します。・本邦で最も頻用されている血糖降下薬ですが、極めてまれに腸閉塞をきたしたり、水疱性類天疱瘡をきたすことがあります。・SU薬との併用で重篤な低血糖を生じうるので、SU薬服用中の例では、併用に際してSU薬の減量が望まれます。6.GLP-1受容体作動薬(血糖依存性インスリン分泌促進系)64-65頁・経口薬の発売予定もありますが、2020年10月時点では原則、注射薬です。・血糖が高いときのみ、膵β細胞からのインスリン分泌を促進し、膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制することで血糖降下作用を発揮します。・インスリン依存状態にある患者さんへの処方は禁忌です。・食欲を抑制する作用があり、体重減少効果が期待されます。反面、副作用として、下痢、便秘、悪心、嘔吐などの消化器症状が生じうるということです。・頻度は少ないながら、急性膵炎の報告があり、既往歴のある症例では、禁忌ではありませんが、十分なインフォームド・コンセントを取得し、十分な経過観察の下で使用するべきです。7.スルフォニル尿素(SU)薬(血糖非依存性インスリン分泌促進系)65-66頁・低血糖への懸念から使用される頻度が急速に減少しつつありますが、非肥満の非インスリン依存状態の症例で、血糖コントロールが不十分な場合には未だ重要な薬剤です。・次項のグリニド薬との併用は薬理作用上意味がありません。・使用する際は、グリベンクラミド1.25-2.5mg、グリクラジド20-40mg、グリメピリド0.5-1mgと少量にとどめたほうが良いと考えられています。・シックデイでは速やかに休薬するよう日頃から指導します。今回の特別企画では、「糖尿病治療ガイド2020-2021」で大きく改訂されたポイントについてエキスパートの先生に詳しく解説していただいています。全3回シリーズでお届けします。糖尿病診療に携わる全ての方々に役立つ情報ですので、是非お役立てください!