ブックタイトル会報2020年7月

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概要

会報2020年7月

第205号令和2年7月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です近況報告[当法人理事]東京医科大学八王子医療センター八王子糖尿病内科クリニック大野敦[医師]新型コロナウイルス(COVID-19)への行政の対応が急激な変化をみせているが、本原稿の締切直前の5月25日に緊急事態宣言が首都圏でも解除されることになった。2月からは2011年の計画停電の時と同じように、平日の夜ならびに週末に開催される講演会や会議などの行事は中止・延期になっているが、6月からもしばらくはその状況が続きそうである。2018年9月末に選択定年退職してからは、八王子医療センターにおける兼任での週1回勤務を含め、月~木曜日は5医療機関で糖尿病外来を担当し、金~日曜日はオフにして年間20回のペースで全国規模の学会や研究会に参加してきた。しかし3月からは参加予定であったすべての学会が延期・WEB開催へ切り替えになっており、仕事以外で2か月以上八王子から出ていない。自宅では月に数回しか食べていなかった平日の夕食も、週1回の当直日以外は19時台に野菜豊富なメニューを摂取するという健康的な食生活を送っている。2011年の前半も同じような生活であったと思うが、秋にはすっかり元の生活習慣に戻ってしまった。今回は東日本だけではなく、日本のみならず世界的な出来事であり、しかもウイルスが相手につき長期戦になることは間違いない。したがって秋以降も三密になりやすい集会の開催には制約が残る可能性が高く、当法人の事業の運営方法にもより一層の工夫が必要になるであろう。一方ステイホームの呼びかけで、まじめな糖尿病患者さんほど活動量の低下が顕著であり、血糖・脂質コントロールの悪化に注意が必要である。また健診も延期が続いていて、生活習慣病の早期発見の遅れ・重症化が危惧される。個人的にも3月の人間ドックで耐糖能異常を指摘されて、あらためて運動療法にこだわり始めた。八王子医療センターの常勤時代は、片道3,800歩の徒歩通勤していたため、帰りが車での移動の日でも1日1万歩を達成していた。通勤での歩数が減ってからは、限られた時間で運動効率を上げるため、天川理学療法士のアドバイスの元に、第1目標を4METSの歩行運動1日30分以上に変更し、1日1万歩以上は第2目標に格下げした。その結果、外来終了後の空腹感が減ってきた実感がある。この時間帯は昼食後4時間目になるが、おそらく活動強度のアップによりインスリン感受性が亢進したため昼食後のインスリンの過分泌が改善し、夕方の血糖値の下がりすぎがなくなったためではないかと考えている。運動時間が取れないという患者さんには自分の経験を話し、その方の運動習慣を考慮しながら、おおむね3METSで20~30分程度の歩行運動をお勧めしている。当法人の例会は、今年から会場確保の観点より従来の「土曜日の午後:年間2回開催」から「平日の夜:年間4回開催」に変更となった。変更後初の第67回例会は6月23日に開催予定であったが、残念ながら12月まで延期になった。今回、例会担当理事を務めることになったが、平日開催になると他の事業や製薬メーカーの講演会との差別化が難しくなる可能性がある。一方で開催テーマへの縛りがない利点もあり、会員の皆様の日常診療に役立つ企画に心がけていきたいと考えており、忌憚のない御意見を頂ければ幸いである。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題劇症1型糖尿病について誤っているのはどれか、2つ選べ。1.インスリン治療を直ちに開始する2.GAD抗体が陽性になることが多い3.免疫チェックポイント阻害薬の関与が指摘されている4.発症時、入院治療が必要である5.発症時HbA1cは高値のことが多い臨床糖尿病支援ネットワーク(答えは3ページにあります。)