ブックタイトル会報2020年6月

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概要

会報2020年6月

第204号令和2年6月発行Page 1読んで単位を獲得しよう“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です訪問栄養食事指導(病院型認定栄養ケア・ステーション)臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人評議員]緑風荘病院藤原恵子[管理栄養士]当院では1996年から、在宅で食事療法に難渋する糖尿病の患者さんに対して、買い物を交えた訪問栄養食事指導を始めました。その後、介護報酬制度が開始されてからは、要介護認定を受けている方は介護報酬での居宅療養管理指導の中で実施しています。また、数年前には日本栄養士会より、認定栄養ケア・ステーションの認定を受け、病院内だけではなく、地域の高齢者への栄養ケアと共に、必要に応じて訪問栄養食事指導に出ています。我が国の急速な高齢化に伴い、高齢糖尿病患者さんも増加しており、在宅療養中でも、人生100年時代を迎え血糖値のコントロールや合併症の予防や進行抑制のために、適切な食事療法が必要となっています。在宅で食事療法の実施が難しい場合は、主治医から管理栄養士に在宅訪問栄養食事指導の依頼があります。その他、介護支援専門員や訪問看護師などが、家族などが困っている様子から、管理栄養士に連絡が来る場合や、家族から栄養ケア・ステーションに相談がある場合もあり、主治医に現状を説明して訪問栄養食事指導の指示を受けています。また、糖尿病の食事療法に加えて、摂食嚥下障害や配食サービスに関する相談も増えていますが、配食の内容が主治医の指示に合っていないケースも散見します。在宅では本人が調理困難な場合は、家族や介護ヘルパーが調理をしますが、医療や栄養に関する情報が少なく、病院で受けた栄養食事指導などを参考にして理想的な献立や食事療法を実行しようと努力されています。しかし、現状との違いが大きく、家族やスタッフが多くの悩みを抱えています。病院での退院時の栄養食事指導は、個々の在宅での生活や調理環境などを見据えた、具体的な指導が重要だと実感しています。低栄養の原因として1昨今の低糖質ブームの影響もあり、極端な低炭水化物の食事をしている、2糖尿病食は制限食というイメージを持つ方が多く、調理油や脂質の含まれている食品を避ける傾向にある、3塩分制限の指示がある方は、減塩の方法がわからず味気ない食事が続き、食欲不振になっている、などのようなケースが多くみられます。その結果、エネルギー不足が続き体重が低下し、低栄養に陥ってから、管理栄養士に相談が来ます。残念なことに、在宅では低栄養に気づきにくく、改善することは非常に困難です。そのため、地域の栄養ケア・ステーションとして、介護支援専門員に対して、早期に管理栄養士による栄養スクリーニングや栄養評価を行うことの重要性を伝えています。最近では、介護予防の段階で、介護支援専門員からの相談も増えており、自己流で過度な低炭水化物食を実行していた方や低栄養が懸念される方などの、早期発見と情報提供、主治医や介護スタッフの連携、栄養指導などに繋げています。現在は、新型コロナウイルス感染症の感染予防を優先し、家族と相談して訪問を控える場合もありますが、電話などで情況をお聞きし、悩みや不安、困りごとなどの相談をしています。西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題経口血糖降下薬について誤っているのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります。)1.グリニド薬は基本的には食直前に内服する2.DPP-4阻害薬の中には週1回投与で効果が持続するものがある3.α-グルコシダーゼ阻害(α-GI)薬の中には1日1回投与で効果が持続するものがある4.スルホニル尿素(SU)薬は低血糖を生じにくい5.ビグアナイド薬は造影剤使用時の前後で休薬するよう指導する