ブックタイトル会報2020年5月

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概要

会報2020年5月

第203号令和2年5月発行Page 3日本糖尿病医療学学会第3回関東地方会令和2年2月9日(日)川崎市コンベンションホール[当法人理事]神奈川県保健福祉大学実践教育センター和田幹子[看護師]令和2年2月9日梅の花がほころぶ頃、川崎(武蔵小杉)のコンベンションホールで日本糖尿病医療学学会・第3回関東地方会が開催されました。今回の地方会は「糖尿病者のこころを知る」というテーマで、大会長の寺内康夫教授(横浜市立大学内分泌・糖尿病内科学)の会長講演から始まりました。寺内先生は、糖尿病者は『特定の属性に対して刻まれる負の烙印=スティグマ』(社会的偏見による差別、差別されるのではないかという恐怖)に苦しんでいる恐れがあるということと、糖尿病者がスティグマを放置しないように、我々医療者が「患者のこころ」について意見交換をする必要があるということを話されました。一般演題は22本発表されました。医療者が糖尿病者との関わりで悩んだことや学んだことなど様々な視点での発表があり、発表後のディスカッションでは、発表者が参加者に聞きたいこと、深めたいことが投げかけられました。そしてそこで出た意見が発表者に返され、また発表者から意見が述べられるという相方向的な質疑応答が繰り返されます。最後に座長からコメントがあり、1本24分或いは30分の枠での発表が終了するという形式をとります。大切なのはこの形式に則ることではなく「糖尿病者と医療者との関わりをいかに落とし込むか」なのですが、医療学学会では発表者も座長も入念に準備をされていて毎回感銘を受けます。一般演題以外にも「糖尿病医療学」「糖尿病臨床心理学」「コーチング」「MI(動機付け面接)」などの基礎講座もあり、「患者のこころ」を考えたい医療者にとって盛りだくさんのプログラムでした。私は「MI」の基礎講座に参加しました。MIは実際の面談で良い効果が得られた会話を体系化することにより生まれたもので、人間のアンビバレントな行動変容への影響を形成・強化する面接とのことです。本講座で「人が行動を変えるときはどんな時か」と投げかけられました。うまく行動を変えられた人は「こころの奥底で大切にしているものを語れた人」とのことです。医療者は糖尿病者が心の奥底で大切にしているものをエネルギーにして行動を変えるためのお手伝いができればよいのかな…と思い、幾度も戻る原点に今回も帰着することができました。両価性や是認など人の一般的な性質を利用し、質問力を上げるなどのスキルはもっともっと磨いていきたいと思っています。当法人でも「糖尿病医療学」的視点に着目し、西東京教育看護研修会等を通して「患者のこころ」について意見交換をする機会があります。身近な地域でも糖尿病をもつ人、その人たちをケアする人、ケアする人をケアする人々のこころと行動に焦点を当てた学びを続けられることは私たちの強みだと思っています。今後も、医療学学会と当法人の研修をワクワクしながら行ったり来たりしたいと考えています。事務局からのお知らせ2020年度年会費の納入が、5月1日(金)より可能となりました。会員継続される方は、ご自身のマイページにアクセスいただき、7月31日(金)までに納入をお願いします。事務局へのお問い合わせは当法人ホームページで常時受付けております。ご返答にはお時間をいただくことがございますが、順次対応させていただきます。お急ぎの方は平日の10:00~12:00 / 13:00~16:00にお電話くださいますようお願いいたします。*** 2020年度年会費***納入期間2020年5月1日(金)~7月31日(金)金額5,000円答え4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)読んで単位を獲得しよう解説CKD重症度分類は、原疾患、腎機能(GFR)、蛋白尿・アルブミン尿に基づき分類される。原疾患が糖尿病の場合の蛋白尿区分は尿アルブミン値(mg/日またはmg/gCr)でA1:正常(< 30)、A2:微量アルブミン尿(30?299)、A3:顕性アルブミン尿(≧300)と分類される。GFR(mL/分/1.73m 2 )区分はG1:正常(≧90)、G2:正常または軽度低下(60?89)、G3a:軽度?中等度低下(45?59)、G3b:中等度?高度低下(30?44)、G4:高度低下(15?29)、G5:末期腎不全(<15)と分類される。糖尿病腎症の病期分類の第1?3期はCKD分類のA1?3に合致し、第4期は尿アルブミン値にかかわらずGFR<30、第5期は透析療法期である。よって、選択肢4のみが誤り。臨床糖尿病支援ネットワーク