ブックタイトル会報2020年4月

概要

会報2020年4月

第２０２号令和２年４月発行Page 1読んで単位を獲得しよう“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です新型コロナウィルス臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人業務執行理事]東京医科大学植木彬夫[医師]この巻頭言は2020年3月3日に執筆している。この巻頭言は4月号なのでMANO a MANOに掲載されるときには新型コロナの状況は変わっているかもしれない。願わくば感染拡大の封じ込めが効を奏して終息に向かっていることを祈りたい。私たちの活動もコロナ騒ぎにより全て中止され、3月13日～14日開催予定であった金沢における糖尿病学の進歩は延期となり、多くの研修会や講演会も中止や延期に追いやられた。また法人やその委員会、世話人会なども対面で行うことは避け、メールを用いたテレ会議となった。このような中、糖尿病患者と日々向き合う我々に対し、日本糖尿病学会は2020年2月18日に「新型コロナウイルス（COVID-19）への対応について（Q&A）」の中で糖尿病患者へのコロナに対するQ&Aと医療者向けのQ&Aを発表した。医療者向けの（Q）糖尿病患者で新型コロナウイルス感染症への罹患が疑われる場合、診療で留意する点はありますか？に対し、（A）現時点では、糖尿病は他の基礎疾患と同じく、重症化のリスクの一つである可能性が指摘されている。ただし、CDCのガイダンス（2020年2月12日付け）では糖尿病に加えて、高齢、呼吸器疾患、がん罹患、心不全、脳血管疾患、腎疾患、肝疾患、免疫不全状態、妊娠と幅広い疾患を重症化するリスクの可能性ありとされており、当初の症状が軽微であっても、これら基礎疾患がある場合には肺炎への進行が起こる可能性を念頭に起き、治療にあたるのが望ましいとされている。「糖質コルチコイドの使用は、ウイルス感染を遷延させる可能性が報告されており、慢性閉塞性呼吸器疾患（COPD）の増悪への対処など、使用意義が十分ある場合を除き、避けるべきです。使用する場合には、糖尿病患者の場合は特に血糖値のモニターと治療に配慮すべきでしょう」と示した。すなわち糖尿病患者では、COVID-19感染があった場合には重症化し易い、また糖質コルチコイドはウイルス感染の遷延化や血糖値を悪化させるので肺炎によりCOPD疾患が増悪するとき以外は使用を控えるべきであると、従来のウイルス感染症と変わらない対応することを示していた。一方、具体的対応策としては日本環境感染学会の「新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への対応について」「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版」（http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.pdf）が詳しい。＜治療と予防について＞新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に対して、現在、有効性が証明された治療法はない。ただしHIV薬、抗インフルエンザ薬、エボラ出血熱の治療薬の効果が検証されれば治療薬となるであろう。しかし現時点の治療の基本は対症療法であり、肺炎を認めた場合には必要に応じて輸液や酸素吸入、あるいは昇圧剤などで全身管理を行う。肺炎や重症例でのステロイド使用の有効性を認めるエビデンスはないので勧められない。COVID-19に対するワクチンは現時点では無いと報告されている。感染力は強いが致死率は中国で2％、その他の国では更に低いとされている。このCOVID-19は社会活動を制限し、経済効果も阻害している。学校は3月2日から多くの地域で休校に入っている。この巻頭言を読まれる頃には、終息への光が見えてきていることを再度祈りたい。西東京糖尿病療養指導士（ＬＣＤＥ）は、更新のために５年間において５０単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「ＭＡＮＯａＭＡＮＯ」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、１年につき２単位（５年間で１０単位）を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。（「問題」は、過去のＬＣＤＥ認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。）問題食品交換表の同一表内の交換で正しいのはどれか、２つ選べ。（答えは３ページにあります。）１．「春雨」を食べたので、「ごはん」を減らした２．「みたらし団子」を食べたので、「ごはん」を減らした３．「アボカド」を食べたので、「マヨネーズ」を使うのはやめた４．「干し柿」を食べたので、「バナナ」はやめた５．「プロセスチーズ」を食べたので、「牛乳」を減らした