ブックタイトル会報2020年3月

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概要

会報2020年3月

第201号令和2年3月発行Page 1読んで単位を獲得しよう“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です安全かつ有効な新しい薬や医療機器がより早く患者さんのもとに届くように!!西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題血糖降下薬と副作用の組み合わせで誤っているのはどれか、2つ選べ。(答えは7ページにあります。)1.α-グルコシダーゼ阻害薬?重篤な肝機能障害2.ビグアナイド薬?消化器症状3.チアゾリジン薬?乳酸アシドーシス4.DPP-4阻害薬?頻尿5.SGLT2阻害薬?紅斑などの皮膚症状臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人評議員]杏林大学医学部付属病院浅間泉[看護師]「治験」とは、厚生労働省に「医薬品」「医療機器」としての承認を得るための成績を集めることを目的として、承認前の薬や機器の有効性や安全性を調べたり、既に承認済みの薬について、新たな適応症や用法・用量の有効性や安全性を調べる臨床試験のことです。「治験薬や治験機器」は有効性と安全性が確かめられてはじめて「薬・医療機器」として世に出ることになり、治験は通常の治療と異なり、研究的な側面が伴います。私たちが現在使用している薬や医療機器、標準治療は、このような臨床試験を経てその効果が確認されてきました。これは、臨床試験に参加していただいた患者さんのご協力の賜物であり、病気の治療方法が進歩するためには不可欠のものです。<治験の流れ><治験コーディネーター>現在、私は臨床試験管理室に在籍し、治験コーディネーター業務と管理業務に携わっています。治験は国際共同試験が大半となり、ますます複雑化、繁雑化する中での治験コーディネーターの業務は、治験のスケジュール管理や服薬指導、有害事象発生時の患者ケア、治験検体の準備、患者さんの臨床データを入力する症例報告書作成やIRB(治験審査委員会)に報告する書類作成の補助業務など多岐に渡ります。DPP4阻害薬やSGLT2阻害薬等も治験を実施し、承認され発売されました。当時他施設で試験を担当した治験コーディネーターからは、食事負荷試験を実施し頻回な血糖測定を規定時間内に測定し、時間に追われたエピソードやフリースタイルリブレの医療機器等の市販後臨床試験では、皮膚接着面の対応に苦労したエピソードも聞きました。私は、昨年医療機器治験を担当し、糖尿病足潰瘍の患者さんと関わりました。PRP(多血小板血漿)療法といって一般にも知られていますが、患者さん自身の採血を活用して創傷治癒が促進される効果をみる試験です。外来通院のタイトなスケジュールで実施し、協力頂いた患者さんからは、感謝の言葉を頂きました。担当した治験薬や医療機器が承認となり、発売されることはかけがえのない喜びであり、誇りでもあります。治験コーディネーターは、未来に繋がる職業であると思っています。しかしながら、新薬や機器開発の治験業務に欠かせない治験コーディネーターという職種は知名度が低く、世間一般に、より周知されることを望んでいます。そして、承認されるまでは長い年月と莫大な費用がかかり、承認される試験は僅かですが、安全かつ有効な新しい医薬品や医療機器がより早く患者さんのもとに届くように願っています。