ブックタイトル会報2020年2月

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概要

会報2020年2月

第200号《特別号》令和2年2月発行Page 7≪創刊200号に寄せて≫MANO a MANO創刊200号に寄せて[当法人理事]すずき糖尿病内科クリニック和田幹子[看護師]MANO a MANO創刊200号おめでとうございます。会報の名称を決めた会議での一コマが、つい昨日のことのように思い出されます。「手から手へ」という意味合いを糖尿病療養支援と重ね合わせ、医療者から患者へ、患者から医療者へ、患者から患者へ、医療者から医療者へ…というように様々なMANO a MANOを思い描きつつ、執筆の機会を賜りました。創刊から16年あまりが経過し、取り上げられた研修会は500件以上に上ります。そして、会報には看護師・薬剤師・管理栄養士など、療養指導士の活躍も大いに取り上げられています。MANO a MANOからは、臨床糖尿病支援ネットワークのチームの仲間が施設の垣根を越えて、手と手をつないでいる様子が伝わってきます。そして糖尿病患者さんのために様々な知識や技術を身につけ、研鑽しようという熱意が伝わってきます。内容もリニューアルを重ね、メディカルスタッフが力試ししつつ単位がとれるように「読んで単位を獲得しよう」のコーナーも新設されました。以前のように紙媒体ではありませんが、デジタルブックという新機能を搭載しています。今までもそしてこれからも「参加したかった研修」「参加してよかったイベント」等の内容をダイレクトに伝え、会員の皆さまとともにあるMANO a MANOでありますように祈念しています。やっぱりアートだよ[当法人理事]朝比奈クリニック朝比奈崇介[医師]私は医師ではあるが、あまり科学者っぽくない。科学というアプローチが必要であると思ってはいてもアートの方に興味がある。科学は分解して要素の関係を考えるが、アートは要素を構築して全体として何を考えるかを示してくれる。科学はどのようしたら上手に生きられるかHowは教えてくれるが、何故生きていかなければならないかWhyは教えてくれない。アートに含まれるものは詩であったり音楽であったり。多分、哲学や文学もアートに入るかもしれないがいずれにしても「学」になったときにアート性の正真性は失われるような気がする。私が日頃の医療面接で意識しているのは面接の中から患者さんの「美しい言葉」をいかに拾い出すかである。私のいう「美しい言葉」というのはその人が生きている意味や理由を掴んでいる言葉である。それは前向きな言葉だけとは限らない。本人はそれを意識していないかもしれない。でもその奥底には生きている上での大きな覚悟や諦観が含まれている。そんな言葉を拾い集めて、キラキラ光る宝石のように愛でる。そんなことを通じて私は自分が生きる上での糧を得、また自分が生きている理由を探す旅を続けていく。病を得た人だけでなく、自らの病や死を考えながら病を得た人をCareすることが本当に“病を得た人と同じ地平に立つ”ことのスタートなのだと思う。全ての医療者が科学を追うだけでなくアートも追い、何のために生きているのかを病を得た人と話し合う人になれることを願って。臨床糖尿病支援ネットワーク