ブックタイトル会報2020年1月

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概要

会報2020年1月

第199号令和2年1月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です1型糖尿病の治療50年[当法人監事]武居小児科医院武居正郎[医師]1970年に大学を卒業した時に糖尿病ケトアシドーシスで入院した子どもを受け持ったのが糖尿病の人との関わりのはじめです。当時は豚インスリンでRとNをバイアルからインスリン用の注射器でなるべく混ざらないように吸引し朝夕の2回注射をしていました。自宅での検査は毎食前後と就寝前の尿を取っておき夜にそれぞれをベネディクト試薬の入った試験管に数滴入れ鍋で煮て尿糖を半定量で判断して次回の受診時にインスリン量の相談をしていました。食事は年齢相当のエネルギー量と3食なるべく均等にとの指導をしていました。1982年にサマーキャンプの必要性を感じてまずは見学に行き、次の年から本格的にお手伝いをしました。そこではデキストロスティクスで無制限に血糖自己測定をしながら激しい運動会、山登りなどを行わせて日常生活をどのようにしたら良いかの実地教育を10日間行いました。その後インスリンはモノコンポーネントから人型になり、超速効型、速効型、混合型、持効型溶解となり、注射器はペン型に、更にインスリンポンプ。血液量も少なく時間も早くなった血糖自己測定試験紙と測定器も安くなっています。細胞間液のブドウ糖濃度を測る機器も様々開発され、それと連動することで低血糖を予防するポンプ(SAP)も開発されています。血糖値の波を正常範囲内に収めることを最良の治療とする余りに、数字に振り回されている患者さんにしばしば出会います。そのデータをスマホ経由で飛ばし親、主治医に24時間監視されていると悩んでいる患者さんもいます。数字に振り回されない生活をしてもらう事も必要と感じていますが、がんの人は5~10年経てば白黒がはっきりしますが、1型糖尿病の人は死ぬまで合併症が起こるのではないかと絶えず背中に刀を持った人に脅迫されている生活を送っているのではないかと思います。また、カーボカウントを知っていれば自由に食事をとって良いよと言う余り肥満の1型の人も増えていますし運動量の減少も問題です(社会全体の問題ですが)。親が一生治らない病気と思い過保護になっており精神的に一人前の大人になれないまま成人している人の問題もあります。さらにGAD抗体が陽性なので1型糖尿病と言われていますが、入院での糖尿病教室で2型の話をされ違和感を持って退院している20代30代の人たちにしばしば出会います。私が初めに見ていた人達は元気で幸せな家庭生活を送っており、数年後にはリリーインスリン治療50年賞を受けられる人がだんだんと出てきます。その人たちの苦労はいろいろとあると思いますが数字に振り回されない生活をしています。医療として1型糖尿病の教育、患者会、家族の支援、社会に向けて1型の正しい知識を広める事の大切さをつくづく感じています。それに向け今後とも働ければと思っております。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題日本人2型糖尿病の特徴に関して誤っているのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります。)1.2型糖尿病患者数は、第二次大戦後、自動車の登録台数に比例して増加した。2.2型糖尿病患者数は、第二次大戦後、エネルギー摂取量に比例して増加した。3.2型糖尿病の発症には遺伝因子と環境因子の両者が関与する。4.平成28年国民健康・栄養調査結果では糖尿病およびその予備群は女性の方が多かった。5.上記4.の調査結果では糖尿病は増加傾向であったが予備群はむしろ減少傾向であった。臨床糖尿病支援ネットワーク