ブックタイトル会報2019年9月

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概要

会報2019年9月

第195号 令和元年9月発行 Page 1臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人理事]HECサイエンスクリニック調 進一郎 [医師]血糖自己測定? 自己血糖測定??“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANO a MANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題 経口血糖降下薬について正しいのはどれか、2つ選べ。 (答えは3ページにあります。)1.スルホニル尿素薬は血糖依存的にインスリン分泌を促すことができる2.グリニド薬はスルホニル尿素薬と同じ作用点に働き、インスリン分泌を促進する3.DPP-4阻害薬は小腸から分泌されるGIPやGLP-1の分解を阻害してその作用を高める4.DPP-4阻害薬は毎食前に内服する必要がある5.スルホニル尿素薬は最近、週1回製剤が出て、服薬アドヒアランスが向上している日本糖尿病学会の糖尿病学用語集検索サイトで調べてみると【血糖自己測定】となっています。英語ではSelf-Monitoring of Blood Glucose(SMBG)。訳せば『血糖(Blood glucose)を自分で測る(Self-monitering)こと』なので、やはり血糖自己測定が正解ですよね。意地悪く「自己血糖測定」でインターネット検索をしてみると、糖尿学会の地方会抄録や超有名な糖尿病関連情報サイトなどでいくつかヒットするのが現状です。用語は正しく使用するよう気を付けたいものですね。今では糖尿病治療には欠かせないSMBGですが、保険適用になったのは1986年。それまでは患者さんはご家庭などで血糖を測ることはできなかったのですから、以前の糖尿病患者さんや医療スタッフの苦労は想像できません。30年以上にわたって糖尿病患者さんを支えてくれたSMBGも新しい時代を迎えつつあります。いちいち採血をしなくても連続して血糖を測れる機器の登場です。2017年9月からはフラッシュグルコースモニタリング(Flash Glucose Monitoring:FGM)が保険適応になりました。上腕に留置したセンサーが皮下の間質液中の糖濃度(間質グルコース値)を持続的に測定します。リーダーをセンサーにかざすだけで、血液を出さなくとも瞬時にグルコース濃度を表示してくれます。過去8時間のグルコース値も記録されているため、今までのSMBGではわからなかった夜間の低血糖や食後血糖の変化なども知ることができる画期的な機器です。そして昨年12月、さらに進化したリアルタイムCGM(rtCGM)が保険適応となりました。皮下グルコース濃度をスマホなどのリーダーにリアルタイムに表示することができるだけでなく低血糖や高血糖時にアラームを鳴らすこともできるという優れものです。適応はT1DMに限られ、患者の自己負担も従来より高額などの問題はあるものの、今後の活躍が期待されています。rtCGMを使用するためには医師のみならず、看護師や薬剤師も講習を受ける必要があります。その講習として日本糖尿病学会のホームページにはeラーニング(https://www.jds-el.jp/jdsms/member/)が用意されています。講習内容はスライドで200枚以上と大変ですが、学習後はテストを受け合格すると認定証が発行されます。SMBGとの違いや使用上の注意点などが一通り学習できますので、皆さん、是非、視聴してみて下さい!