ブックタイトル会報2019年6月193号

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会報2019年6月193号

第192号 令和元年6月発行 Page 7臨床糖尿病支援ネットワーク答え 1,5 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説 高血糖状態は感染のリスクを高め、創傷治癒遅延につながるため、手術に当たってはできるだけコントロール良好であることが望ましい(空腹時血糖100~140mg/dl、食後200mg/dl以下、尿ケトン陰性。HbA1cの目標値は提示されていない)。ただし、緊急時などで必要な場合にはその限りではなく血糖コントロールをしながら手術を行う。術中の点滴に関してはインスリンを混合することがあるが、使用するのは「速効型(レギュラーインスリン)」であり「中間型」は使用しない。術後食事再開の場合、元々内服によるコントロールが良好であれば状態により内服に戻してもよい。一方、食事摂取量が不安定な場合などには食事量などを見ながら食直後に超速効型インスリンを投与する方法も用いられる。読んで単位を獲得しよう平成31年3月1日から3月2日、まだ雪が残る青森市で第53回糖尿病学の進歩が開催されました。2日間に渡り糖尿病について学ぶ機会を得ましたので報告致します。多くの学びがありましたが、その中でも血糖測定方法の多様化と高齢者糖尿病患者の血糖管理について紹介致します。最近の糖尿病治療における進歩は目覚ましいものがあります。特に、FreeStyleリブレ?などのフラッシュグルコースモニタリング(FGM)や、予測低血糖自動注入停止型インスリンポンプであるMiniMed 640Gなども徐々に臨床の現場に浸透しつつあります。今回の学会でも新しい機器として、平成31年2月28日より保険収載されたリアルタイムCGMであるDEXCOM G4?や、今後使用可能になると考えられるガーディアンTMコネクトシステムなど、糖尿病患者さんの治療において有用な機器の紹介がありました。DEXCOM G4?は血糖測定精度が高いことが特徴であり、ガーディアンTMコネクトシステムは低血糖を予測するアラームや遠隔診療への期待などもあるようでした。これまで使用されていた持続血糖測定器(CGM)はドライブレコーダータイプで、記録されたものを振り返るものであったのに対して、FGMやリアルタイムCGMはカーナビゲーションのような存在との説明があり、糖尿病治療が大きく変化していることを再認識しました。今後、今まで以上に血糖変動を少なくするような血糖管理ができる可能性が高く、よいHbA1cを得ながら、低血糖は少なくといった理想的な治療ができる環境が整ってきていることを感じました。先進的な機器が多く出てきた一方で、高齢者における糖尿病診療・治療についても、現在患者数が増えており臨床上非常に重要です。高齢者ではカテゴリー毎に治療目標を変えることが推奨されていますが、DASC-8(認知・生活機能質問票)を用いても簡易的に血糖コントロール目標のカテゴリー分けを行えることが紹介されていました。治療については、単純化、 服薬タイミングの統一、服薬数・回数を減らす、週1回製剤の使用など、「脱」強化療法といった概念も高齢者においては重要性が高いとの報告がありました。以上に挙げたのは学会の一部ではございますが、糖尿病学については日々進歩していることを感じることのできた学会でした。来年は金沢で開催されるとのことですので、皆様も是非参加をご検討ください。第53回糖尿病学の進歩平成31年3月1日(金)~2日(土)リンクステーションホール青森 他東京都立多摩総合医療センター百瀬 崇 [医師]一般社団法人 臨床糖尿病支援ネットワーク 第65回例会研究会等のセミナー・イベント情報主催事業 共催・後援事業 その他開催日:2019年6月22日(土)15:15~18:50場 所:国分寺市立いずみホール(JR中央線「西国分寺駅」下車 徒歩2分)参加費:当法人会員 無料 / 一般 1,500円☆西東京糖尿病療養指導士認定更新のための研修単位:7単位☆日本糖尿病療養指導士認定更新のための研修単位<第2群>:1単位申請中☆日糖協療養指導医取得のための講習会:申請中参加費無料