ブックタイトル会報2019年5月191号

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概要

会報2019年5月191号

第191号 令和元年5月発行 Page 3臨床糖尿病支援ネットワーク『糖尿病医療学』という言葉に馴染みの少ない方もいらっしゃるかもしれません。日本糖尿病医療学学会代表理事で奈良県立医科大学糖尿病学講座の石井均先生のお言葉を引用させていただきますと、「医療とは医学の成果(例えば科学としての薬物、技術としてのインスリンポンプ)を、病を持つひとに、医療者が手渡していく過程における人間的行為/関係であると定義される。そこには手渡すための技・術(アート)が存在する。それは個別的でありながら共通する真理/原則がありそれは学問の形をとれるので『糖尿病医療学』と呼びましょう。」と語られています。そしてそれを学ぶ機会のひとつが糖尿病医療学学会です。そこには患者の気持ちを知り、自己治癒力を高める心理療法的アプローチや動機付け面接、コーチングの知識や技術、行動変容における健康心理学や行動科学など様々なテーマがありますが、学会での中心となるのは時間をかけた症例検討です。発表事例を小グループに分かれて検討し、他の症例とのつながりやそこから学んだもの(他の症例に応用できる共通点)を探求し共有することを目的としています。フロアでの各職種の方と交わす検討を通じ、どう感じて何を悩むかは個人により様々ですが、私自身は会終了後に形容しがたい精神的疲労感を自覚し帰路につくことが多いです。(それでも毎回参加しています。)私は1昨年よりこの医療学学会総会と地方会に演題発表を継続しており、今回は3回目の発表でした。この関東地方会は昨年に第1回が開催されましたが、昨年は総会と比較して初参加の方が多く、発表毎の小グループでの事例検討で戸惑っている方もいてサポートさせて頂く機会が複数回ありました。したがって今回はこの会が初めてでもより身近に感じられるように、発表テーマを事例検討ではなく、日常診療で馴染みの深い血糖自己測定の虚偽申告に選んで発表を行いました。発表では自験例2例に加え既報での文献的考察を交え10分程度のプレゼンテーションを行いましたが、あえてやや偏った側面からの発表により、フロアからの反論を含め『個々の信じているそれぞれ違う正しさ』について闊達な意見交換を期待しました。しかし実際は個人の主張が寄せられる展開となってしまい、全体での建設的な議論に至らずやや困惑しました。結果として出席者の来年への発表意欲向上に繋げられなかったと感じ、今後の発展に期待をしている個人として十分な貢献ができず残念な発表となりました。糖尿病治療は直近20年で薬物治療を中心に格段の進歩をとげ、今はより多くの治療選択肢を提供する準備ができる一方で、糖尿病をもつ患者さんの内面を私達がいかに共感、理解し、その未来が少しでも明るくなるよう、どのように共に歩んでいくかについては私達自身の準備が未だ不十分です。僭越ながら今後『糖尿病医療学』がさらに発展し、ともに悩みながら同じ目標に向かって歩んでいける仲間の方達がより一層増えていくことを祈念しています。日本糖尿病医療学学会第2回関東地方会平成31年2月10日(日)崎陽軒本店[当法人会員] 東京医科大学八王子医療センター小林 高明 [医師]開催日:2019年6月1日(土)14:50~16:30場 所:国立市商業協同組合 さくらホール (JR中央線「国立駅」南口下車 徒歩3分)参加費:500円 申 込:FAX:042-400-5952(5/24締切)☆西東京糖尿病療養指導士認定更新のための研修単位:3単位☆日本糖尿病療養指導士認定更新のための研修単位<第2群>:0.5単位申請中第36回 武蔵野糖尿病研究会研究会等のセミナー・イベント情報主催事業 共催・後援事業 その他答え 1,3 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説 1.○ 悲嘆のプロセスのショック期は、事実を受け入れられない時期。支援:現状や事実が、どう認識されているかを明らかにする。2.× 3.○ 悲嘆期は、事実を認知し、強い悲しみにとらわれる時期。支援:感情が表現できる場の提供。自殺念慮に注意。失われたものの個人にとっての意味、最も重大な喪失は何かを発見する。4.× 悲嘆のプロセスは正常な適応過程であり、急がせることはできない。5.× 1型糖尿病では、ほぼ半数が憂鬱になった、人生への影響を考えて不安になった、信じられなかった、家族のことを心配した、と答えている。読んで単位を獲得しよう