ブックタイトル2019年1月号

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概要

2019年1月号

第186号 平成30年12月発行 Page 3臨床糖尿病支援ネットワーク答え 1,4 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説低血糖症状は個人差もあり、出現するもの・しないものもありますが、交感神経症状としては、冷汗、不安感、手指振戦、顔面蒼白、頻脈・動悸などがあります。中枢神経症状としては、頭痛、目のかすみ、空腹感、異常行動、けいれん、昏睡などがあげられます。(参考文献 糖尿病療養指導ガイドブック2018 p164 表1、p165 2 診断とアセスメント)読んで単位を獲得しよう第5回日本糖尿病医療学学会~糖尿病者の心に応える~が2018年10月6日(土)・7日(日)、京都大学百周年時計台記念館にて行われました。医療とは「医学の成果(例えば科学としての薬物、技術としてのインスリンポンプ)を、病を持つ人に、医療者が手渡していく過程における人間的行為/関係である」と定義され、そこには手渡すための技・術(アート)があります。個別的でありながら共通する心理/原則が根底にあり、それは学問の形をとれるので医療学-糖尿病医療学とよび、これを学ぶ場が糖尿病医療学学会と理事の奈良県立大学 石井均先生は定義されています。各会場で演者が発表した症例を多職種の参加者が様々な視点から自由にディスカッションし、座長を中心に症例検討会を行います。医学的な考察も忘れずに行いますが、変わる必要があるのは患者なのか?医療者なのか?そのときなぜ医療者や患者はそうせざるを得なかったのか等、関係性にも目を向けていきます。6日に行われたシンポジウムで当法人理事の植木彬夫先生とHECサイエンスクリニック瀧本奈奈看護師の症例は大変心を打たれました。インスリンを永らく受け入れられなかった患者さん。医師や看護師はインスリンを拒否される患者さんとの関係の中で様々な不安や葛藤を抱きます。病状が悪化し主治医の心からの問いかけについに患者さんは自らインスリン導入を決意します。その時看護師は「本当にやっていいの?」とこれまでの経過や想いも踏まえて再度患者に優しく語りかけますが、患者さんは安心したような表情でインスリンを受け入れます。患者さんには幼少時からの母親との関係性からインスリンを受け入れることができない深い理由がありました。自己インスリン投与の瞬間は患者さんも医療者もそれぞれが様々な思いで感動的な瞬間となった症例で涙がとまりませんでした。医学では患者さんの行動は変えられなかった。医療者と患者さんの関係を含む医療学が患者さんの行動を変えたとまさに考えさせられる症例でした。そんな瞬間を共有できる医療者という仕事が本当に素晴らしいと感じました。私は看護師になる以前金融業界でOLをしていました。様々な人の心に触れることで自身が成長できる仕事がしたいと看護師になりました。日々の仕事の中で、患者さんとの関係にうまくいかない事もあり、迷走してしまうこともあります。そんな時は初心にかえり、病を持つ人を支援するための技・術を学ぶことで解決策を模索します。医療学学会は症例検討だけでなく、患者さんとの関係の在り方を考える知識とスキルを高めるための心理療法的アプローチや動機づけ面接等を学ぶ講座もある貴重な学会です。是非来年も参加し学びつづけたいと思いました。第5回日本糖尿病医療学学会平成30年10月6日(土)~7日(日)京都大学 百周年時計台記念館[当法人会員]多摩センタークリニックみらい菅原 加奈美 [看護師]